浅見光彦 箸墓幻想
2020年8/10(月)テレビで箸墓幻想が、放送された。
新聞の放送番組の、サブタイトルが ”初恋の君青春の過ちが卑弥呼の呪いを呼び覚ます!女の業と怨念!” すごいタイトルで楽しみにしてましたが、やはり、小説には負けますね。2時間ドラマにするには、どうしても、削らなくてはいけない内容になるのは、仕方が無いのかなあ?
箸墓は、前方後円墳で、宮内庁の管轄下にあるため、今現在も調査等が出来ない古墳で、邪馬台国の卑弥呼の墓ではないかとの説もありますが、いまだ、わからない状況です。 邪馬台国は、どこにあるのか? 畿内説・北部九州説が、争っています。
邪馬台国関係の本を何冊か読みましたが、それぞれに、自説を書いていて、私のような素人には、わからなくなります。
邪馬台国論争には、文献的な方法と、考古学的方法の二つがあります。
一つは、「巍志倭人伝」に書かれた語句の解釈にに基づいて、邪馬台国の位置を想定する方法。もう一つはあくまで、考古学的な発見を積み重なることにより、位置を想定する方法。この本の主人公は、考古学的立場から、邪馬台国を見つけ出すことに全力を尽くしている立場です。
「箸墓幻想」は、考古学者を主人公に、学問一筋の学者が、殺された原因は何かを浅見光彦が探して、解決していく本です。
学問一筋に、他の事を変える見ることなく、進んで行く姿はうらやましい限りです。
第二次世界大戦中の、学徒出陣から、戦後の大変な時代を経て、考古学を基礎に、
邪馬台国を探し求めて、悪戦苦闘する研究者の姿が描かれています。
また、絵を描くことが戦争のよって、できなくなり、戦地に行った若者たちや、彼らが残した絵が、長野県の上田市にある「無言館」という、小さな美術館に展示していることも本の中にあり、初めてそのような美術館がある事を知りました。
日本の建国の歴史を、飛鳥地方を舞台にして進んで行くのを、読んで行きながら、私も
光彦と一緒に歩いているような気分になりました。
この、本の中で、作者が究極の旅は、大和路の歴史探訪の旅に勝るものはないと述べています。私もそう思います。
奈良では、法隆寺・唐招提寺・秋篠寺・若草山・春日神社等を歩きましたが、飛鳥地方には、一歩も足を踏み入れていないのが、残念です。
好きな万葉集の歌
・ あおによし 奈良の都は 咲く花の 匂うがごとく 今 盛りなり
・やまとは 国のまほろば たたなづく あおがき
やまごもれる やまとし うるわし
・大和には 郡山あれど とりよろふ 天の香具山 登り立ち
国見をすれば 国原は 煙立つ立つ 海原は かもめ 立つ立つ
うまし国そ あきづ島 大和の国は
・春すぎて夏来にけらし白妙の 衣干すてふ天の香具山