茶懐石料理 京都
25年程前、京都の千茶道文化学院に、茶懐石料理を習いに、毎月土曜日1年間通いました。
千茶道文化学院は、武者小路千家の家元夫人である千澄子先生が学院長です。
千澄子先生は、茶懐石料理の、第1人者でした。
千澄子先生から直接教えていただくことができました。
そのような方に茶懐石料理を習えるなんてとてもビックリでした。
受講生は、皆さん茶事を習っている方ばかりで、私のように茶事のことをなにも知らない人はいなかったです。なぜ行くことになったかというと仕事上で茶懐石料理の勉強に行くようにと白羽の矢がたったからです。裕福なご家庭の奥様・お嬢様ばかりで、住む世界が違い、このような方々がいらっしゃるんだなあと思いながら一緒に習いました。
受講生のなかに金沢から習いに来られている方がいらっしゃいましたが、その方が「裏千家を教えているんが、茶事のときに茶懐石料理をしないといけないので、どうしても澄子先生に習いたいから通っている」とおっしゃっていました。
茶懐石料理は、茶を楽しむための料理であり、茶会の主催者である亭主が客をもてなす料理です。季節感を尊び、新鮮な材料を用い、不必要な飾りを廃し、食べやすく、できたてを供することを旨とし、料理と食器の調和、室内や周囲のあしらいに気を配り、
客の年齢なども考慮に入れるという計算されつくした、もてなしの美学の極到です。
献立は、向付・汁・飯・椀盛り・焼き物の一汁三菜が基本で、これに箸洗い・八寸・
強肴・湯桶・香の物・茶・菓子
客と亭主の間には、一定の約束ごとがあり、その食事作法にのっとり食べられる。
1回の料理実習で、全てをするのではなく、今日のレシピーはこれですと、献立の中から、少しずつ作って行きました。
澄子先生が、レシピーの説明をして、助手の方が作って、自分たちで作っていく形でした。他の方は、もう何年も教室に通っている方ばかりで、何も知らないのは、私だけでした。料理を作り終えて、食事をするときは、京都の人達が大半でしたので、いろいろな店とか、どこのお菓子がおいしいとか話をしてくれました。なるほどと聞きながら、いつかその店に行って見たいと思いながら食事をしました。
千茶道文化学院へは、京都駅から地下鉄に乗って今出川駅で下車し歩いていきました。
京都御所の近くだったような記憶があります。
近くに、表千家、裏千家もありました。澄子先生の長男さんがお家元を継ぐときに、家元の門が開いていたことがあり、ちょっと中に入ったことがありますが、余りに大きな邸宅だったのでビックリして、他の人に見つからないうちに門から外に出ました。
京都の、にしんそば、八つ橋、御池せんべい、土井の志ば漬等を食べたり、
大原三千院、錦市場、嵯峨野、哲学の道、嵐山、直指庵、大覚寺なども見て回
りました。
茶懐石料理は、いまいち、上達しませんでしたが、1年間京都に勉強に行くことができたのは良かったです。
材料は京都でしか売っていないものが多くて自宅で作ることができませんでした。
家元夫人から直接教わることができ貴重な経験となりました。