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浅見光彦 神苦楽島上・下

東京の秋葉原に行って光彦が携帯を買って帰る途中で路上で若い女性が倒れた事から、この本は始まります。

舞台が、兵庫県の淡路島で、この島が「国生み」神話の最初に生まれた島である。

「国生み」神話とは「古事記」に書かれている、男神イザナギと女神のイザナミ

の出会いからの物語です。イザナミイザナギは、まず淡路島を造り、それから

四国を造ったとされている。

この小説には淡路島の風物がふんだんに盛り込まれていて、風景、人物、伝説、伝承文化など、「国生み」の島らしく淡路島の特徴が色濃く書かれています。

たとえば、「団子ころがし」「モスケ」「牛頭天王)などなど

 

また、淡路島には、桓武天皇が立てた常隆寺という寺があります。

本からの引用 神苦楽島 内田康夫著より

この寺は、桓武天皇の皇太子だった「早良親王」が、謀反の疑いをかけられ、皇太子を廃せられたが、無実の容疑だったことから、親王は食を絶ち、淡路に送られる途中の船中で憤死した。親王の死後、怨霊による祟りが都を襲い、それを恐れた桓武天皇が山中に一寺(常隆寺)を建立、親王の霊魂を慰めたが、それでも、親王の怨霊は鎮まらず、そのため、桓武天皇は造ったばかりの、長岡京を放棄して、京都に遷都することになる。

桓武天皇といえば平安京と歴史で習ったが、このような理由があるとは、この本を読むまで知らなかった。だから、歴史はおもしろい。

 

この本の中で「太陽の道」が出てくる

 ここからは、本からの引用 神苦楽島 内田康夫

「太陽の道」とは、北緯34度32線上にあり、東の端は伊勢の斎宮跡、西の端は淡路島伊勢の森(伊勢久留麻神社)。この二つの「伊勢」のあいだに、古代遺跡や古い由緒をもつ神社が点在している。共通点が太陽の祭祀に関係があり、深い関わりを持った古代の「聖戦」で、太陽の道と名付けられた。

奈良県では、室生寺長谷寺三輪山檜原神社国津神社・箸墓・当麻寺が線上に浮かぶ。大阪に入ると聖徳太子廟・大鳥神社・古代王朝の政治的効果を狙って策定されたと考えられるが、地図や磁石のない時代に、東西の直線を引くことができたとするなら、古代の測量技術に驚嘆する。

 

昔の人が自然との共存、太陽の恩恵についてどれだけ真剣に思っていたかがわかる。

エジプトのピラミッド、ギリシャパルテノン神殿に通じるかもしれないと思う。

祟りとか、のろいとかは、若い人からみれば、おかしいと思うことでしょうが、私は田舎で育ったので、なるほどなと納得します。

たとえば、犬神持ち、あの森に行って物を取ったらいけないとか、拝み屋とか、そういう事をよく聞かされました。

 

  この本を読んで、「太陽の道」を調べてみようと思い、図書館で借りてきましたが、難しいので調べるのを諦めました。浅見光彦を読んで、いつも感じるのは、作家は本当に頭がいいのだと思う。よくその土地のこと、歴史を調べている。だからファンにはたまらないのだ。

サスペンスなので、殺人事件が必ずあるけれども、それと歴史を絡めていったり、

社会現象を絡めたり、そして、殺人事件を解決していく。本当におもしろくて、勉強になります。歴史が好きですが、このような本を読むことによって、新しい知識が増えていきます。