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美味しいとは、どういうことですか?

食べ物は、安全であり、栄養があり、美味しいことが必須です。

私たちは、どういう食べ物に美味しさを感じるのでしょうか。この美味しさの秘密を探ることは、調理学の永遠のテーマでもあります。先人達は、さまざまな試みや発見をしてきました。

1916年に、ドイツのヘニングは、甘味・酸味・苦味・塩味の四つの基本的な味の四面体説を唱えています。1909年に、日本の池田菊苗は、昆布のだし汁に含まれるグルタミン酸を発見します。うま味と呼称してから、味の種類が広がり、表現(ターミノロジー)が活発になります。今日では、科学的要因となる味覚や匂い、物理的要因となる温度、テクスチャー(歯ごたえ、口ざわり)などの感覚の研究が積極的に行われています。

しかし、美味しいとか、まずいという感覚は、物理や化学の世界だけでは、十分な説明はできません。心理的な要因も関連しています。さらに、調理の仕方・健康・心理状態・食習慣・食卓の雰囲気・宗教・異文化など、食文化的な背景が重なりあっています。

美味しさを客観的に評価する方法の開発は、調理学での大きな課題の一つです。

例えば、味覚計量心理学・味覚センサー・サイコレオロジー・感性調理学・調理文化論・味覚表現学などの分野で多くの研究者が取り組んでいます。

なかでも、サイコレオロジーは、食べ物のレオロジー的な性質、人間の生理的感覚、心理的要因などを、実験心理学の面から、総合的に評価する試みです。

レオロジーは、1929年に、アメリカのビンガムが提唱した学問です。食べ物の持つ弾性(変形)と粘性(流動)の両面の挙動を、科学的に分析する手法です。

例えば、レオメーターのような器機により、美味しいパンの弾性や、ソースの粘性から、テクスチャーとの関連を解析します。将来は、このような面から、異文化との比較も可能となることが期待されています。

 

美味学(ガストロノミー)は、博物学・物理学・科学・料理術・商業など、広い学問領域に及んでいます。ギリシア語で、ガストロとは胃袋や腸のこと、ノミーとは学問や法則のことです。ですから、ガストロノミーとは、美味しく食べるための方法や学問を追求することになります。

 

ブリア・サバランは

美味学は人間の一生を支配する。全く、人は生れ落ちるや呱々の声をあげて母の乳を求めるし、死に瀕してもなお若干の喜びをもって、かわいそうにも消化する力もないのに!最後の一さじを吸うのである。またそれは社会のすべての階層につながりを持つ。

まったく王者参集の供宴を主宰するのも美味学なら、ころあいの半熟卵を得るのに何分間煮ればよいかを教えるのもまた美味学なのである。