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食文化と歴史 1

食文化について学ぶとき、世界史をおおまかに把握しておくと理解度がぐっと高まります。歴史の流れは人の流れでもあります。どのように食文化が伝播し普及していったのか、重要なポイントを見ていきましょう。

 

古代文明と食文化

メソポタミア文明

イラクなど中東に位置するチグリス、ユーフラテス川流域は肥沃な土地で、約1万年前から小麦が栽培され、無発酵のパンが作られていました。紀元前3500年頃には高度なメソポタミア文明が誕生。豊かな土地ゆえに支配権をめぐる戦争が繰り返される中、シュメール、バビロニアアッシリアなどの国家が興ります。メソポタミアには、氾濫する川を整備して農耕を行なう灌漑農業やビールのほか、楔形文字で粘土板に掘られたレシピが世界で初めて登場。レシピの数々は近年、研究者によって解読され当日の食生活を知る手がかりになっています。また、他の文明地域と交易も行なわれました。

 

エジプト文明

ナイル川流域に栄え、メソポタミアとともに古代オリエントの「肥沃な三日月地帯」を形成した文明。農業が盛んで小麦を育ててパンを主食とし、細粒の小麦粉を挽く回転石臼が発明されました。エジプト人はパンを「エイシ(アイシ)=アラビア語で”命の意味”と呼びます。古代エジプトでは豆、特にそら豆も大切な食料でした。肥沃な土地で育ったおいしい食材に恵まれ、エジプト料理は今も素材の味を活かしたシンプルさが特徴です。

 

インダス文明

ヒマラヤを源流とするインダス川流域を中心に紀元前2600年頃栄えた、インド亜大陸最古の文明。メソポタミアにならって灌漑農業を行ない、スパイス文化の起源でもあります。主要都市ハラッパーの遺跡からはレンズ豆やひよこ豆、小麦、牛肉、鶏肉などのほか、ターメリックやクミン、シナモン、黒コショウ、コリアンダー、しょうが、にんにくなどを使った今のカレーの原型のようなものを食べていた痕跡が見つかっています。

 

黄河・長江流域の文明

黄河の中・下流域や長江(揚子江下流などで興った東アジア最古の原始農耕文明。

北方の黄河流域では主に小麦が栽培され、餃子、饅頭、包子などを含む麺食(粉食)文化が根付きました。一方、南部の長江流域では世界最古の稲作農業が行なわれ、米食(粉食)文化が発展。日本の稲作の源流にもなりました。

 

メソアメリカ文明アンデス文明

メソアメリカ文明は、メキシコから中央アメリカ各地に紀元前2000年頃から興った高度文明。古代にはオルメカやマや文明が繁栄しました。一方アンデス文明は紀元前2000頃に興った文明で、中世にケチュア族が築いたインカ帝国がよく知られています。

どちらも原産のとうもろこしを主食とし、粉を練って作るタコスやププーサ、アレパといった古典料理が今でも食べられています。