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食文化と歴史 2

古代の帝国と食文化

ローマ帝国

紀元前27年から、東ローマ帝国が1453年に滅亡するまで形式的には約1500年間も続いた大帝国。最大支配地は地中海世界を中心に、西は現在のイギリスから東はコーカサスに至り、ペイストリーやパンケーキなどローマの料理が今も旧領土の国々に残っています。

 

アレクサンドロスの帝国(マケドニア王国)

紀元前7世紀に古代ギリシャ人が建国した国家。アレクサンドロス大王ペルシャを征服して世界帝国となり、東西文化の交流や民族融合が盛んになりました。これをヘレニズムといい、米やぶどうの葉の詰め物(ドルマ)などの食品をギリシアにもたらす一方で、食品を温冷で分類する古代ギリシャの医学理論などをイランに伝えます。

 

ペルシア帝国

紀元前330年にアレクサンドロス大王に滅ぼされるまで古代オリエント世界を統一したアケメネス朝、226年~651年まで君臨したササン朝などイランを中心に成立していた国家の総称。ゾロアスター教を信仰し、最大領土はヨーロッパ南東部に及んでいました。

春分の日を新年に祝うノウルーズの習慣が今も旧領土だった地域に残っています。

 

中世以降に長期にわたって続いた帝国

イベリア半島にアラブ食文化を伝えたイスラム帝国、世界史上最大領土を誇りインドの富を支配していた大英帝国、ヨーロッパに侵攻しタルタルステーキなどを伝えたモンゴル帝国、1270年~1974年まで存続し独自の食文化を育んだエチオピア帝国、ウイーンの洗練された食文化を生んだハプスブルク帝国、インドにイスラムの食文化をもたらしたムガル帝国などがあります。

 

世界三大料理

一般的に、中華料理、フランス料理、トルコ料理をさします。各々が個性豊かですが、共通するのは政治や財政、軍事が長期に安定した帝国で発展したこと。肥沃な農地と食材に恵まれ、王侯貴族が美食を求める余裕もありました。宮廷晩餐会には料理人達が切磋琢磨し、食文化が洗練されたのです。

 

食文化を変えた歴史上のできごと

シルクロード、仏教伝来(6世紀)

シルクロードは広義にはローマから、西安を越え、仏教伝来の流れを汲んで日本の奈良とつながっていました。陸と海のシルクロードがあり、ペルシャとも交流があったことは正倉院の宝物からも推察されます。ペルシャ系商人のソグド人は中国にゴマやコショウ、くるみなどをもたらし、それが日本にも伝わりました。

 

大航海時代(15~17世紀)と三角貿易(17~18世紀)

コロンブスの”発見”を機に、アメリカ大陸原産のとうもろこしやじゃがいも、トマト、唐辛子などがヨーロッパに伝わり、さらに全世界に伝播しました。特にじゃがいもはやせた土地や寒冷地でも育ち、人々を飢えから救いました。

大航海時代以降、ヨーロッパ列強による新大陸、アフリカ、アジアの植民地が始まります。ヨーロッパとアフリカ、新大陸間で三角貿易が行なわれ、この奴隷貿易を通して、熱帯で育ちやすい南米のキャッサバやとうもろこしがアフリカに、南太平洋のパンノキの実がカリブ海の島々にもたらされます。

 

産業革命(18~19世紀)

三角貿易で莫大な利益を得たイギリスは、機械制工場と蒸気力の利用を中心に産業革命と社会構造の変革を推進、日本を含む欧米諸国も追従し、手作りの食品の多くが工場での大量生産になった反動で自然回帰や動物愛護、菜食主義が台頭します。