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熱帯高地の四大文明 2

いずれも、その場所に自生していた植物を、栽培用として人間が品種改良し、おいしい作物になるように作り変えたのです。アンデスでは、穀類の代わりに、多種多様なイモ類が栽培化されました。野生のイモ類には有毒物質のソラニンが含まれていて、そのままでは苦しくて食べることができません。そこでイモを加工して毒抜きをする技術が発達したのです。もともとジャガイモはティティカカ湖畔を起源地としており、寒さに強く、有毒物質のおかげで病害虫にも強いです。毒抜きして安全に食べることができれば、主食としてうってつけなのです。アンデスのジャガイモの加工品にチューニョがあります。条件さえ良ければ腐ることがなく、何年でも貯蔵可能な加工品です。ジャガイモを標高4000㍍の高原に広げ、激しい気温変化にさらす。すると、夜間は凍り、昼間は太陽の熱で解けます。何日かたつとぶよぶよになり、足で踏んで脱汁します。脱汁したジャガイモを再び野天に広げ、さらに数日間放置しておくと、完全に乾燥してチューニョになります。

栽培植物を作り出したことで、高地文明は世界に大きな影響を与えました。メキシコがなかったらトウモロコシやカボチャはないし、アンデスがなければジャガイモもありません。エチオピアで有名なのはコーヒー。チベットは、寒冷な気候のやせ地でも育つソバの起源地でもあります。

コロンブスが到着した時点で、アメリカ大陸で栽培されていた植物は少なくとも100種類以上あったとされています。少なくとも中南米古代文明がなかったら、現在の栽培植物のかなりの部分は欠落してしまうのではないでしょうか。

新大陸の農耕文化は、15世紀になて、トウモロコシ、ジャガイモ、さつまいも、とまと、とうがらしなどの食物が世界中に移動していきました。

トウモロコシは、アメリカの先住民が常食としていたものを、コロンブスがヨーロッパへ持ち帰ったのを機に、世界中に広まりました。今では世界の三代穀物のひとつとして重要な役割を果たしています。南米が原産のジャガイモは、16世紀頃にヨーロッパに伝わり、救荒作物として大いに威力を発揮し、当時のヨーロッパの人口増加に一役買ったといわれています。中南米近辺を原産とする新しい食物が世界中に伝播したのです。