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食べること 話すこと 3

人間の口は言葉を生み その力で協力をしてきた

生物で異なる味覚

生物の舌には、こうした進化の過程が詰まっています。人間が感じる味覚は、甘味、酸味、塩味、苦み、うま味ですが、この5種類とも水溶性で、逆に水に溶けないものの味は感じません。これは、人間の祖先が海で暮らしていたことが由来と考えられています。ちなみに、辛い物が好きという方をいらっしゃると思いますが、辛味は水に溶けないため、味としてではなく、痛みとして感じています。また、この味覚は、生物によっても感じ方が異なることが知られており、ネコは甘味を感じません。これは例えば、笹を好んで食べるパンダや、ユーカリの葉を食べるコアラなど、それぞれの置かれてきた環境や食習慣に合わせて、舌が進化してきたことを表わしています。

その上で、人間の舌は、ほかの生物にはない独特の進化を遂げました。それは、手のように器用な舌を使って口の中に多様な空間を作り、言葉を生み出した事です。

先ほど、舌は獲物を捕るために発達したと述べましたが、人間はそうした使い方ではなく、会話によって協力し会うことで、獲物を捕ることを選択したのです。こう考えると、会話とは、生きて行くために必要不可欠なものだということが分かります。

言葉を操る人間の口は、心とも密接に関係しています。例えば、心の持ち方で、一部の方に味覚障害が現れることが分かっています。これは心が口に与える影響です。その逆もあります。最近はコロナ禍で会話の機会が減少しており、心の健康への影響が指摘されています。その原因として、会えない孤独感などが想定されますが、そもそも口を動かさないことが心に与える影響もあるのです。よく野球の試合で、ガムを噛みながらプレーしている選手を見ますが、それは気持ちが落ち着く唐です。実は、口をリズミカルに動かすことで、口内からは唾液が分泌されますが、脳では神経の興奮を静めてくれるセロトニンという物質が分泌されると考えられています。

”何を食べても、おいしく感じられる”という味覚に関することです。歯磨きなどの心掛けで口腔環境が良くなれば、一つ一つの味も鮮明に感じられますし、口は心とも関係するからこそ、心が清らかになれば、さらにおいしく感じるということは科学的にも考えられます。声についてもいえることですが、力を合わせて生きて行くために舌があるというとらえ方であり、まさに人間が進化の中で手に入れた口腔機能の本質を突くものといえます。現在、猛威を振るう新型コロナウイルスは、口から出る飛沫が主な感染経路となっており、会話を避けなければならない状況にあります。しかし、その結果、世界は分断し、社会の中で孤立化が進みました。人類は今、声の力を使って、どう人々をつないでいけるかの岐路に立たされている状況です。だからこそ、声の力を磨きに磨き、たの人と共に、身近なところから励まし合っていくことが大切です。