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私たちが見ているもの 1

スマートフォンタブレット端末などの普及に加えて、コロナ禍によって外出自粛が求められたことで、そうした機器を自宅で使う時間が大幅に増加し、私たちの眼には重い負担がのしかかっています。オーストラリアの研究機関は、2010年には20億人だった近視の人口が、50年には世界人口の半分に当たる50億人になると試算。WHO(世界保健機関)は、このデータを引用した上で、近視の増加に伴って、失明する人の数も急増する可能性があると警告しています。

 

視力低下を防ぐ心掛けを

なぜ、眼は悪くなるのでしょうか。それはスマホなどを使う時間の長さではなく、同じ距離の物を見続けることが要因と考えられています。物を見る際、その距離に応じて眼の筋肉はピントを合わせますが、この距離が変らないと筋肉の緊張状態が続き、これが眼の疲労を蓄積させ、視力低下につながってしまうのです。最近では、眼精疲労やドライアイといった症状だけでなく、「手元が見えにくい」「夕方は物が見づらい」といった老眼の症状に悩む若年層も増えています。このほか、スマホの使いすぎで片方の黒目が内側に向き、物が二重に見えてしまう急性内斜視も増加傾向にあります。

こうした眼の機能低下は、肩凝りや頭痛といった症状につながることもあれば、心や脳に影響を及ぼすこともあります。強度の近視となった患者を対象にした調査では、うつ症状や不安障害となる方の率が高くなることが分かりました。また、視力低下で、認知症が疑われる割合が高くなるとの報告もあります。

そもそも現代において、デジタル機器を使わないで暮らすことは難しいかもしれません。しかし、心掛け次第で視力低下を防ぐことはできます。例えば、近視は30㎝以内を見る時間が長くなると進行することが分かっているので、画面との距離を30㎝以上離して見ることが大切です。仕事などで長時間使わなければならない場合も、20分に1回、20秒程度、遠くを眺めることで、近視を防ぐ効果があります。

今、近視予防として注目を集める一つに、1日2時間以上の屋外活動があります。

実際、台湾では約10年前から小学校で2時間を目標にした屋外活動を実施しており、近視の子どもの割合を世界で唯一、減少させました。太陽光に含まれる紫の光に近視予防効果があることは、日本の研究でも証明されており、屋外活動はデジタル機器に触れる時間そのものを減らすこともできます。最近、子どものスマホ利用やゲーム時間の増加が問題になっていますが、大事なのは大人が模範を示すことです。子ども達の眼を守るためにも、大人がスマホに熱中するのではなく、子どもと一緒に外に出て体を動かしたり、会話の時間を持ったりするなど、予防に努めてもらいたいと切に願っています。