中国料理の献立
中国料理の献立
① 冷菜 冷たい前菜のこと。
冷菜担当の料理人が作る前菜で、バン、チャン、ルゥーなどの冷菜技法を
用いて作る料理。中国の慣習では偶数の品数にすることが多く、4種類か
ら12種類くらいまで盛り付けられます。
鳳凰などをかたどった飾り前菜は大皿に盛り、その周りに小皿で6~8
種類くらいを盛り付けます。
② 熱炒 温かい前菜のこと。
熱炒担当の料理人が作る前菜で、チャオ、チヤー、チエンなどの熱炒技法
を用いて作る酒のつまみです。
分量は主要料理より少なく、器も比較的小さいものを用います。
省略されることも多いが、正式の宴会ではメイン料理の前に出されます。
③ 大菜
頭菜 メイン料理。
そのコースではメイン料理のことで、大菜の最初に出されます。
現在ではフカヒレを使うことが多いです。
第二大菜 第三大菜 第四大菜
主要料理。頭菜は高級な乾物が多いが、2皿目からは食肉類、魚介類、
禽類(鳥類)、野菜類など一般的な食材を多彩な味付けと調理法を用いて
大皿料理とするため、大菜といいます。
一般的には、野菜料理を後に出すが、その他は自由に調理し、材料や味に
変化を持たせ、飽きのこない構成とします。
底湯 スープ料理
スープ料理は口代わりとして宴席の途中で出されることもあるが、
そのような場合でも大菜の最後は必ずスープ料理で締めくくられる。
前に出される料理によって、さっぱりとした味、濃厚な味などさまざまに
変化するが、宴席の最後にふさわしく手間をかけたスープ料理を出すこと
が多いです。
④ 麺飯 食事(ご飯物)
白飯とともに漬物や野菜料理が出されることもあるが、最近は白飯ではな
く、麺類、炒飯などを出すことが多いです。省略されることもあります。
⑤ ディエン品 デザート
甘い点心やディエン菜(さつまいものあめ炊き等)。
以前はシロップ仕立ての甘い料理を宴席の途中で出すこともありましたが
最近はもっぱらデザートとして宴席の最後に出されることが多いです。
⑥ 水菓 果物。季節の果物が出されます。
中国料理様式
1. 宴席料理(イエンシー)
(1) フンチュウシー 一般の酒席、宴席料理のこと
冠婚葬祭の目的に合うように宴が準備される
イ. 満漢全席 近代の中国料理の中でも最高の宴席とされる
料理からデザートまでの品数は、1人前で108~158品
ともいわれ、最小の場合でも33品の料理が供卓されます
*満漢全席は、清の乾隆帝が漢民族の料理に興味を持ち、何度も北京から
揚州まで大勢の文官や衛兵を連れて行った際に、当時の揚州の人々が
皇帝の一行をもてなした際の宴席料理です。
料理が豪華なうえに各宴席(満席、漢席、蒙古席)の調度品も素晴らし
い品ぞろえで、また、服装も宴会のたびに着替えて、民族の食事作法に
従って会食を行なったといわれています。
会食には1回に5~6時間かけ、三晩にわたって延々と繰り広げられるも
のでありました。
代表的な料理には、イエンウオチースータン(つばめの巣と鶏の千切り
スープ)、シャーユーピーチーチーコン(ちょうざめの皮と鶏のあつも
の)など多数の珍品を用いられた料理があります。
珍しい食材としては、熊の手、鹿の尾、らくだのこぶ、羊の干し肉、
スッポンなどがあります。
ロ. サンティエ水席
満漢全席を簡単にしたもので、朝、昼、夜と1日食べ続けます
ハ. 酒席 便席ともいい、一般的な宴会料理にあたります。
ふかひれ料理を用いたユーチー席
つばめの巣の料理を用いたイエンウォー席
なまこ料理を用いたハイシェン席
などで料理名を呼ぶこともあります。
(2) 素席 精進料理の宴席のこと
獣鳥肉類、においの強い食品(ねぎ、にんにく等)は使わない。
(3) 清真席 回教料理の宴席
豚肉は使えないため、羊肉、やぎ肉などを使います。
2. 飲茶
広東、香港で人気のある、点心を食べながら中国茶を飲む軽い食事のこと
* シエン点心 麺、飯、餃子、包子などの甘くないもの
ティエン点心 中国菓子(月餅、杏仁豆腐など)のように甘いもの
3. 家常菜 日常の家庭料理、惣菜のこと
中国北部は小麦、南部は米がとれるので、北部は粉食、南部は粒食と
大きな違いがあります。