日本の主な郷土料理9
手こねずし 魚をおろしてそぎ切りにし、砂糖を少々加えたしょうゆに漬け込んだ後
すし飯と混ぜ合わせたもの。
焼きはまぐり 桑名市周辺の名物。生きたはまぐりを殻のまま直火で焼いた料理。
磯の香りと味わいを楽しむ素朴な料理である。食塩、ゆずのしぼり汁
など好みの調味料をかけて食べる。
伊勢うどん 伊勢市を中心に食べられるうどん料理の一種である。たまりしょうゆに
だしを加えた黒いたれにやわらかくもちっとした極太の柔らかい麺を食
べる。「やわうどん」の代表的なもの。
いかなごのたまごとじ 伊勢湾に春を呼ぶいかなご料理の一つ。イカナゴ漁は3月に
なると解禁になる。砂糖、しょうゆ、酒で調味した煮汁を
煮立て、イカナゴを平らに並べて卵でとじる。
いかなごのまきずし 春祭りに作り。イカナゴはしょうゆ、みりん、酒、しょうが
で調味し、落としぶたをして強火で甘辛く仕上げる。
箸でかき回すとくずれる。しんにイカナゴをたっぷり入れ、
紅しょうが、卵、三つ葉を添えて巻き込む。
琵琶湖の真子を持ったげんごろうぶなの内臓とうろこを取り、塩漬けに
したものを米飯とともに漬け込み、半年から1年間熟成、自然発酵させて
作る。日本最古のすしといわれ、熟成した魚のみを薄切りにして食べたり
お茶漬けなどに用いられる。
もろこ料理 全長10~13㎝で琵琶湖の特産で、冬から早春が美味。魚田、照り焼き
みそ焼き、すし種、佃煮、南蛮漬け、こぶ巻きなどにして食べる。
日の菜漬け 滋賀県特産のヒノナを用いた漬物。水洗いしたヒノナを塩で下漬けした
後、調味した米ぬかに本漬けする。色合いが美しく、甘みのある漬物で
ある。また、ヒノナを細かく刻んで漬けたものはさくら漬けと呼ばれる
いもと棒だらの炊いたん
京都特産の海老芋と棒だらの炊き合わせのこと。
京都の商家では、戦前から月別や日別に食べることの決まっている料理が
あった。いも棒もその一つで、毎月15日に食べるならわしがある。
棒だらをもどし、形のままゆでた海老芋とともに、しょうゆ、砂糖、酒など
で調味し、じっくりと煮込む。
にしんそば だし、酒、砂糖で甘辛く煮つけた身欠きにしんをのせたそばのこと。
薬味には刻みねぎを用いる。昔は大晦日に食べることが多かった。
さばずし 甘酢で煮て長方形に整えた白板コンブ、長方形に整えた三枚おろしの
しめさば、棒状に固めたすし飯の順に巻きすで四角い棒状に整え、たけの
皮で包んで縛り、味をなじませて作る。
*京料理の特徴
京都は、長い間都として栄えた王城千年の地である。古い寺院や茶家が多く、
懐石料理や精進料理の本場である。祭りなど数々の行事があり、それに伴い
行事食も多い。山に囲まれた京都は山の幸に恵まれ、たけのこ、山菜、まつたけ
などの特産物が多い。反面、新鮮な海の幸に乏しく、生命力の強いハモ、棒だら
や身欠きにしんなどの干物、若狭からの塩ぐじや塩さばなどを料理に用いてきた
また、水がよいことから良質の豆腐ができた。
京料理は、これらの材料の持ち味を生かし、一般に薄味に仕立てた料理である。
また、菜の花漬け、しば漬け、小なすのからし漬け、千枚漬けなど四季を通じて
漬物も豊富である。