日本の郷土料理18
からしれんこん
レンコンの穴にからしみそを詰めたてんぷらのこと。細川家3代藩主忠利公の健康
のために熊本城外堀のレンコンを使って作りはじめたと伝えられる。
レンコンはいったんゆでて、穴の中にからしみそを詰める。そら豆の粉と小麦粉を
水溶きし、卵黄またはクチナシの実などで黄色に直色した衣をレンコンにたっぷり
つけて揚げる。輪切りにして食べる。
いきなりだご
だごとはだんごのこと。輪切りにしたさつまいもを小麦粉で作っただんごの中に包
み、ゆでるか蒸すかしたもの。生のさつまいもをそのまま(いきなり)あんに用い
ることからこの名がある。農繁期のおやつとして、また戦後まもなくは代用食と
して作られた。汁に入れることもある。いきなりまんじゅう、いきなりもちと呼ぶ
地方もある。
馬さし
馬肉のさしみのこと。熊本県や長野県の名物料理。鞍下肉を薄切りにして、生姜じ
ょうゆ、にんにくじょうゆなどで食べる。繊維がやわらかく、舌触りが滑らかであ
る。
みそづけどうふ
八代、水俣地方はみそ漬け作りが盛んで、豆腐の保存食のみそ漬けが作られる。
水切りした豆腐を5~6日乾燥してから1ヵ月以上みそに漬け込むと、チーズのよ
うな歯ごたえの素朴な味のみそ漬けになる。
きらずまめし
魚ときらず(おから)を混ぜ合わせたもの。まぐろ、はまち、ぶりなどを小さな切
り身にし、しょうゆに浸しておく。きらずに塩、しょうゆ、酢やかぼすで味をつけ
刻みねぎ魚を混ぜ合わせる。
黄飯
特に臼杵地方のものが有名。クチナシの実で染めた黄色い汁で炊いた塩味の飯であ
る。昔、赤飯の代わりに炊いたのが始まりといわれる。大晦日の行事食として、
あるいは祝い膳につける飯として作られている。
小麦粉に塩少量を入れてこね、だんごの丸めたものを2㎝幅の紐状にのばしてゆで
で、きな粉やあんずあんをまぶしたもの。名前の由来は、昔、幼君が「やせ(乳母
の名)、うま、うま」とおやつをねだったときに乳母がこれを作って与えたからと
いう。
だご汁
だんご汁ともいう。だんご汁は各地に見られるが、大分県のものは食材が豊富であ
る。塩を少々入れた小麦粉に温湯を加えて耳たぶほどのやわらかさにこね、放置す
る。いりこのだし汁に、にんじん、ごぼう、しいたけ、さつまいも、かぼちゃ、
さといも、ねぎ、切り干し大根をいれ、卵形に薄く伸ばしただごを加え、火が
通るまで煮てからみそ仕立てにする。もち米粉のだごに、いもがらをいれただご汁
もある。