宗教と食物禁忌 2
宗教と食物禁忌
イスラム教
7世紀初頭にアラビア半島で始まった教え。ムハンマド(マホメット)が創唱し、
コーランを聖典として、信徒は雄一の神(アッラー)を信じて帰依します。
イスラム教信者はムスリムといい、世界に約16億人います。多数の宗派があり、
大まかにはスンニ派とシーア派に大別されます。スンニ派は最大宗派で80%を占め
シーア派は10~20%ほどです。
イスラム教の食規定
イスラム教では、神に許されたものを「ハラール」、禁じられたものを「ハラーム」
と呼び、敬虔な教徒はこの規定を厳格に守ります。
ハラール食品
野菜、果物、穀類(米、小麦など)、豆類、魚介類、海藻類、牛乳、卵、
イスラム法にのっとって処理された動物の食肉、またはその派生物。
禁じられている飲食物
豚肉、アルコール類、血液
日本で暮らすイスラムの人々
近年、イスラム教を信じる人々の日本での滞在、居住が増加している。彼らは、
豚肉はおろか、豚肉エキスの入った食品も食べることはない。食べることの出来る
ものは、イスラム教の教義にのっとって処理されたハラールフードでなければなら
ない。したがって、それらの食材を求めるときは、専用のハラールフード店を利用
する。イスラムの子供たちが日本の学校へ通うときは、給食のメニューにも配慮して
弁当を持たせる家庭も多い。
ヒンズー教は、紀元前1500年頃に北インドに進入したアーリア人の宗教が、先住民族
のさまざまな宗教の要素を吸収し発展した多神教の宗教。信徒はインド国内で10億人
ネパールやスリランカ、インドネシアのバリ島などの海外の信者を会わせると約11
億人以上いるとされ、キリスト教、イスラム教に続く世界で第3番目に多い信徒を
持ちます。ヒンズー教徒はすべての生き物には魂があることと、生まれ変わりの概念
を信じており、殺生を嫌い、基本的に肉食はしません。
ヒンズー教徒の食規定
肉を食べることは禁止されていませんが、牛は神聖な動物とみなして牛肉を食べませ
ん。他に、豚肉、アヒル、カタツムリ、カ二、ラクダは避けられています。
殺生を避けることから、教徒の大部分は肉やラードなどの動物由来の脂肪、卵を避け
る菜食主義者ですが、乳製品は禁じられていません。牛乳、ヨーグルト、バターなど
牛のその他の製品は本質的に純粋であると考えられています。
カーストの最上位である司祭階級のバラモンは、通常、肉、魚、卵は食べません。
禁じられている飲食物
すべての食肉(特に牛肉)