お酒を飲むのは、食前?食中?食後?そしてワイン、ウイスキー、ビールの生い立ち 1
お酒の飲み方にも、国によりさまざまであることを、知っていますか。
世界の酒の文化は、ワイン文明圏(フランス・イタリア・スペイン・ポルトガル・
ギリシャ)、ウイスキー文明圏(イギリス・オランダ・スカンジナビア諸国・日本・
アメリカ)に大別されます。
そして、これらの国々の飲酒と食事の習慣が異なっています。
① ワイン文明の国では、酒を飲みながら食事をします。とくに、フランス人は、ワインと食事の調和に異常なほどのこだわりがあります。フランス料理は、ワインとともに味わうグルメ志向だからです。
② ウイスキー文明の国では、酒を飲み終わってから食事をします。アメリカにはカクテルがあり、食前酒が多いようです。日本は、ウイスキー文明圏に属しながら、食べながら飲むワイン文明圏の要素もあります。
人は、なぜ飲むのでしょうか。食事との関わりについて触れてみます。
フランス人は、料理の味を引き出すために、こだわりのワインを飲み、アメリカ人は、健康志向で食欲増進のために強い酒は好まずビールやワインを飲み、会話そのものを楽しみ、日本人は、人間関係を確認し合い信頼を深めるために、銘柄にかかわらずに日本酒やウイスキーを飲みます。工業が発達したイギリスやドイツでは、プロテスタント系でよくビールを飲み、文化の国のフランスやイタリアでは、カトリック系でワインをよく飲むとする説もあります。
また、ワイン文明圏に属する国では、料理と酒の組み合わせを大切にします。ワイン・リンゴ・ナシ・サクランボなどの果実酒から、コニャック・アルマ二ヤックなどの蒸留酒まで多種多彩です。
ウイスキー文明圏の国では、ムギ・コメ・イモで造るウイスキーが中心です。ジン・ウォッカ・シナップス・日本酒などがあります。
ウイスキーやワインの楽しみ方の違いについて、つぎのように言われています。
特に興味深い点は、ウイスキー文明では、お酒を飲んでから食事をするが、ワイン文明の国では、お酒を飲みながら食事をします。そして何よりも、食べたり、飲んだりすることが大好きで、特にワインと食事の調和を重視する真のグルメは、ワイン文化圏にしかないと自負しています。
ワインの生い立ち
ワインはフランス語でバン、イタリア語でビノ、ドイツ語でバァインといいます。
ワインの語源は、ラテン語のブドウ酒を意味するビヌムに由来します。一粒のブドウが地に落ちて、野生酵母により自然発酵すると、ワインができあがります。ワインは、
有史以前から存在し、神の飲み物といわれます。ワイン発祥の地は、古代ペルシアとする説があります。イエスと弟子達の最後の晩餐は、イエスの体と血を意味する、パン酵母を使わない種なしパンと赤ワインです。(以前にも書きましたが、イタリアのミラノにある、サンタ・マリア・デッレ・グラッツィエ教会で、最後の晩餐の絵を見ました)「旧約聖書」に、ワインは500回も登場します。古代ギリシアでは、酒神ディオ二ュソスの血とされ、古代ローマでは、バッカスの神に捧げています。そして、ワインは、ヨーロッパの食事には欠かせない飲料になります。