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西洋料理の歴史 5

現代

1970年代になると、こうした古典料理に反発した新しいフランス料理として、ヌーベル・キュイジーヌ(新しい料理)の動きがでてきます。古代ローマの王侯や貴族の贅を尽くした料理、究極の美味を追求しつづけた高級料理への反省です。

フランス料理の伝統を守りながら、素材の選択、調理の簡素化、経費節減、栄養過剰を再検討する風潮です。料理は薄味の料理になります。フランス版の「おふくろの味」でしょうか。サービスは、厨房で盛り付けるロシアンサービスから、同時に運び込むフレンチサービスになります。今日では、宴会サービスやセルフサービスのように、サービスの内容も変化をしています。

1930年代後半には、今日も西洋料理の参考書として読み続けられる名著「ラルース料理百科事典」が生まれます。また、名店「ラ・ピラミッド」を開いたフェルナン・ポワンの登場もこの頃で、彼はソースの重要性、素材のよさを生かした料理を説いて、のちのヌーベル・キュイジーヌ(新しい料理)を引っ張っていく弟子達を多数そだてました。

1970年代前半には、ヌーベル・キュイジーヌの動きが活発になり、ポワンのもとを巣立ったポール・ボキューズ、トロワグロ兄弟などが活躍します。

世界各地に広がったヌーベル・キュイジーヌは、やがて現代フランス料理へと変容し、今日の発展・多様化へとつながっています。このような流れの中、ジョエル・ロブション、アラン・デュカスなどの名シェフが誕生し、我が国のフランス料理にも多大な影響を与えています。

 

ヌーベル・キュイジーヌ

1972年、料理研究家のゴーとミョーの2人によって始めてこのことばが用いられたとされる。フランス料理が洗練さを追うあまり、複雑で重い料理になったのを是正しようと生まれたもので、伝統的な調理法を参照しながら、栄養のバランスのよい料理を目ざそうとしたものである。しかし、その一方で、新しさにこだわる料理人が珍奇を競う風潮が見られたのも事実である。

特徴

① 新鮮な魚貝の味を生かす

② 脂肪は控えめにする

③ 料理を単純化してメニューを減らす

④ 加熱調理時間を短縮する

⑤ 軽いソースを用いる

⑥ 簡単で洗練された盛り付けにする

⑦ 絶えず創作意欲を燃やす

 

 

エドワール・ニニョン(1865~1934)

ロシア、オーストリアの宮廷料理長を歴任し、その後レストラン「ラリュ」を一躍有名店にした料理人。著書「フランス料理賛歌」では、フランス料理の本質と料理人の心構えを説き、実際に手がけた料理も克明に再現している。

 

フェルナン・ポワン(1897~1955)

パリの有名レストランで活躍後、ビィエンヌという田舎町で「ラ・ピラミッド」を開店。当時の名士たちがこぞって”料理術の極み”を味わいに足を運んだ。

 

ポール・ボキューズ(1926~)

フランス料理の普及のために世界中を駆け巡り、「フランス料理の大使」と称される。

日本にも頻繁に訪れ、ヌーベル・キュイジーヌを伝える。「市場の料理」を著す。

 

トロワグロ兄弟

ジャン・トロワグロ(1926~1983)、ピエール・トロワグロ(1928~)の兄弟。

ローアンヌのレストラン「トロワグロ」のシェフ。その日に市場で仕入れた素材で料理を作ることを基本とし、”トロワグロ・スタイル”を確立する。

 

日本でのフランス料理の巨匠は、帝国ホテルの村上信夫・ ホテルオークラの小野正吉と言われています。そのお弟子さんでは沢山の方がいるでしょうが、ハウステンボスの元料理長の上柿本さん、オテルドミクニ三国清三さんが有名です。