西洋料理の特徴 1
西洋料理には、主食と副食という区別はなく、豊富な素材を巧みに組み合わせ、さまざまな調理法を用いて作られ、料理の種類は多種多彩です。料理は作るだけでなく、食器・盛り付け・テーブルマナーなどの雰囲気作りにまで、細心の注意が払われます。フランス料理が中心となりますが、国や民族により、多種多彩な食べ物を形成しています。
共通した西洋料理の特徴
① 獣鳥肉をバターやラードなどの油脂で調理したり、その加工品が中心で
② 肉料理の単調さを補うために、多種多様なソースが発達し、
③ チーズ・ヨーグルト・牛乳・ワインをよく使い
④ 香りを楽しむ料理であり、多彩な香辛料やハーブを使いこなし、
⑤ 鉄板やオーブンによる間接加熱がほとんどで、直火焼きは多くなく
⑥ 鍋は平底鍋を用い、ポトフやブイヤベースなどの煮込み料理もあり、
⑦ 食器類は、ほとんどが大小の皿で、肉の脂は固まりやすいので、皿は熱して供され
⑧ パン・ケーキ・ワインなどには、宗教的な色彩の強いものも多く
⑨ デザート類が発達し
⑩ 国や民族ごとに、特色のある代表的な料理がある
例えば、フランスのエスカルゴ
イギリスのローストビーフ
イタリアのパスタ
スウェーデンの魚の燻製
ロシアのボルシチ
アメリカのサラダ
アメリカ料理の特徴
多くの料理の本に、アメリカ料理という項目は、あまり見当たりません。なぜでしょうか。アメリカは広大な土地を有し、農産物や畜産物を多量に産出する多民族国家です。そして、移住者によりヨーロッパの各国料理を継承しています。アメリカ特有の料理の一つに、南部のニューオーリンズに、クレオール料理があります。移住した白人が創作したフランス系統の料理です。フランス・スペイン・アフリカ・アメリカ先住民の料理が混ざり合い、いかにもアメリカらしい料理です。
特徴は
① ティーボンステーキやワンパウンドステーキのような巨大なステーキがあり
② トマトを用いる料理が多く、トマトソース・ドレッシング・カクテル・ジュースと
多彩で
③ 外来のものは、すべてアメリカサイズされて量産し、例えば、ハンバーグステーキ→ ハンバーガー、ピッツア→ ピザパイ、折りパイ→ 練りパイのように、量産可能なタイプに変えてしまい
④ 大量生産によるパンやプレミックスなどの新しい加工形態には、アメリカ的な合理性がみられ
⑤ スナックからファーストフードまであり
⑥ 客にスピーディーに食べ物を運ぶ方式を、アメリカン・サービスと称し、ロシアン・サービスと対比され
⑦ 農産物や畜産物が豊富で、生産や貯蔵に優れた技術があり、
⑧ クラムチャウダーのような珍品もあります。
美味しさよりも栄養を重視した料理ともいえます。