発酵食品 しょうゆ
しょう油はダイズを用いた我が国の伝統的な液体調味料。むらさき、おしだし、色などともいう。しょう油の原型は、6世紀ごろ中国大陸から朝鮮を経て伝来したひしおというみそ状の塩蔵発酵食品で、現在のようなしょう油になったのは室町時代、工業的に造られるようになったのは江戸時代からといわれています。もっとも一般的な濃口しょう油の製法を概略すると、蒸煮したダイズまたは脱脂だいずにいって砕いたコムギと種こうじを加え、こうじ室で菌を繁殖させた後、塩水と混ぜて仕込む。発酵、熟成させてできたもろみの搾汁液を火入れして製する。
種類は、濃口しょうゆのほか、色の淡い薄口しょう油、ダイズを主原料としたたまりしょうゆ、塩水の代わりにしょうゆを用いて仕込んだ再仕込みしょうゆ、ダイズの使用量を減らして淡色に仕上げた白しょうゆなどがある。また、その製法により原料の分解がすべてこうじによるものを本醤油、もろみまたは生あげしょうゆにアミノ酸液や酵素処理液を加え、発酵、熟成させたものを新式醸造、本醸造または新式醸造のしょうゆにアミノ酸液あるいは酵素処理液加えて調整したものをアミノ酸液混合、酵素処理液混合と分類している。その他、特殊なものとしてうす塩、甘塩、あさ塩など塩分の低いものや、減塩しょうゆ(特殊栄養食品)がある。
しょう油のうま味成分はグルタミン酸などのアミノ酸に、甘味はブドウ糖、麦芽糖などに、酸味は酢酸、乳酸、こはく酸などに由来する。
日本全国のしょう油は、濃口醤油・薄口醤油・溜醤油・しろ醤油・さしこみ醤油に分けられます。
濃口醤油 大豆にほぼ等量の小麦で、主産地は全国です。
薄口醤油 大豆にほぼ同量の小麦で、米を使用することともあります。
色の変化は抑制します。生産地はほぼ全国です。
溜醤油 大豆のみ、または大豆に少量の小麦で、生産地は愛知、三重、岐阜です。
さいしこみ醤油 生揚げに濃い口醤油の麹を仕込みます。生産地は中国、九州です。
白醤油 少量の大豆に小麦で、色の変化は強く抑制します。
生産地は愛知、千葉です。
醤油洗い 材料の下処理の一つ。材料に少量の醤油をまぶし、余分な醤油を切ってから
料理に用いる。料理を水っぽくなく仕上げるための調理操作である。また、
味をなじませ、生臭さを抑える効果もある。主に魚介類や肉類、きのこ類に
用いる。
醤油漬け 材料を調味した醤油につけたもの。材料には、塩漬けまたは乾燥させた野菜
類や魚類などが用いられる。福神漬け、万年漬け、松前漬け、サケのもみじ
漬けなどがその代表である。
醤油干し 醤油を主とした合わせ調味液に材料をつけ込んだり、絡める程度にまぶした
後、干したもの。乾燥することでうま味が凝縮され、保存期間が長くなる。
材料には、キス、サヨリ、イワシ、サバ、アジ、イカなどが用いられる。
醤油焼き 材料を醤油に漬け込んだ後、あるいはかけながら焼いたもの。