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国際的に広がるタクソノミー 2

標準化機構が案を公表

ところで、コロナ禍に対応した経済回復のグリーン刺激策では、タクソノミー導入後のEUがG20で断然トップであった。今日、多くの国が気候政策の遅れは、その分、経済成長に悪影響を及ぼす捉えている。気候政策の資金繰りを考え、緑化洗浄を追放するタクソノミーは、国際化し始め、お金の流れも変えようとしている。

小泉環境大臣は、「カーボンニュートラルといっても、お金の流れが変らないと、世の中、産業構造を含めて動きません」と答弁したが、国際的な流れに乗るもので、傾聴すべきだ。世界基準をとりまとめる国際標準化機構(ISO)は、タクソノミー案に基づいて議論を深めており、本年中には公表する予定だ。さらに世界のGHG排出量の55%、人口の50%を占める国々が国際プラットホーム(IPSF)を創設し、しかもIPSFにタクソノミーの作業を要請する名だたる国際機関も決定。特に世界銀行グループやOECD等は緑の定義やタクソノミーを強調し、EUは中国やインド、カナダ等と議論を深めている。さらにEUは中国と協議し、最大の違いは技術基準であるが「CCT(世界共通タクソノミー)」を本年なかごろまでに公表する予定である。

一方、EU離脱後の英国は自国版に取り組み、アジアでは本年初頭にASEANのハブ化を目指す「シンガポール版タクソノミー」が脚光を浴び、マレーシア等も検討中だ。

さらに各国の中央銀行等からなる国際機関「NGFS(金融システムをグリーン化するためのネットワーク)」が、タクソノミーを含む導入ガイド版を公表したが、将来の国際タクソノミーに対するNGFS参加国の実態調査結果に驚きが走った。全体の56%が国際的なタクソノミーを予定し、13%が将来の係わりを示していたのだ。

 

精緻な法制度の必要も

20数年前、国際スキー教義で日本が連戦連勝したが、唐突なルール変更があった。その後、日本は低迷期を迎えた。全く次元が異なるが、EUの仕組みが広がり、早晩、規制(タクソノミー)の影響が及ぶ。国民が汗水垂らして稼いだ個人の金融資産が過去最高の2000兆円に迫るが、日本は世界のESG潮流を乗り越える先導性を示すべきだ。いまさら、言うまでもなく金融市場はグローバルである。行き交うマネーは一種の争奪戦である。今日、ESG債などの国際的な「情報開示」は急速だ。透明性ファーストだ。素性が悪い金融商品は魅力を欠き、市場が相手にあいない。現総理は、「3000兆円ともいわれる海外の環境投資を呼び込みます。そのための金融市場の枠組みもつくります」と演説した。重要な内容である。しかし日本は制度設計が曖昧なため持続可能な金融に向かう日本のマネーの多くが海外に流出している。期待とは逆の動きが国内で起きている。国際的な(開示要求の〕流れは厳しい。ソフトな紳士協定では効果が薄い。精緻な法制度が必要との指摘が多く、しかも強まっている。今後、EUタクソノミーとつながる炭素国境調整メカ二ズム(CBAM)の影響を受けかねない日本は、アジア諸国と連携し、EUと調整できる野心的な仕組み「アジア・日本版タクソノミー」を導入すべきではないだろうか。