中国料理の特徴 1
中国は、日本の26倍という広大な国土と豊かな資源に恵まれ、また、4000年という長い歴史の中で、漢民族を中心に、56の民族で構成される多民族国家です。また、気候風土・民族・習慣・歴史的背景などの地域差が大きく、そのために、多くの独自の料理文化を育んでいます。豪華な宴会料理から、手軽な家庭料理まで、基本的な調理は、1万種類を越えるといわれます。
特徴
① 医食同源や薬食一如の思想に基づき
② 広大な中国大陸に囲まれ、地域ごとの特色ある料理が多く
③ 味を楽しむ料理であり
④ 素材の種類は豊富で、捨てるところがなく
⑤ 海つばめの巣・ふかひれ・なまこ・干しエビなどの乾物を巧みに利用し
⑥ 芽台酒を始め、発酵させた食品が多く
⑦ 古くから高度な調理技術が発達し、丸底鍋(中華鍋)を用いる油料理が中心で、高
温短時間加熱により、料理は油っぽさが感じられず
⑧ 調理器具や食器の種類が少なく、人数にも融通性があり合理的であり
⑨ 料理はバランスよく、栄養的・健康的にも優れていて
⑩ 一つの円卓を囲み、大皿に盛り付けた料理を、各自の好みにより取り分ける
代表的な料理
① 北部の黄河流域には北京系の料理
② 東部の長江下流には上海系の料理
③ 西部の長江上流には四川系の料理
④ 南部の珠江流域には広東系の料理
北京は濃いめ、上海は酸味、四川は辛味、広東は淡泊な味を好みます。
北京料理(北方系)
京菜ともいいます。素朴な山東料理が基本となり、明や清の首都として栄えた北京の伝統ある宮廷料理が混ざり合い、明代から集約された料理です。
清の第6代乾隆帝は、蘇州料理を好み、料理人を積極的に招聘します。
(私は1986年に始めて香港に行ったときに蘇州料理を食べました。その当時の香港副領事の方が、上司の息子さんで、その方に案内されました。とても美味しかったです)
満漢両民族の食文化と、官吏がもたらした地方料理の影響を受けています。
中国北部は、質のよいコムギの産地であり、コムギ粉で作る包子・餅・饅頭・麺など点心を常食とします。北方民族の好む牛肉・豚肉・羊肉・鴨肉・鯉をよく使います。
醤油・塩・味噌・香辛料による濃い目の味付けで、砂糖は余り使いません。寒さが厳しいために、油を多めに使う料理が多いのも特徴の一つです。爆・ジャー・炒などの調理にすぐれています。アヒルの丸焼きの北京カオチャー、羊肉のしゃぶしゃぶのシュワン羊肉、水ぎょうざなどがあります。また、高級なスープ料理に定評があります。