西洋料理の特徴 5
フランス料理
フランス料理の特徴は
① 様々な素材、優れた調理法を巧みに組み合わせ、地域ごとの珍味や名物料理が多く、
② 海や山に恵まれ、農産物・畜産物・魚介などの素材が豊富で、
③ 優れた料理人に恵まれ、色彩・形状・盛り付け・調味には、芸術の国に相応しい深みがあり、
④ 豊富な香辛料、ソース・チーズ・芳醇なワインが料理を引き立て
⑤ 標準的はコース料理は、オードブル・スープ・アントレ(肉料理)・野菜料理・サラダ・ソルベ(シャーベット)・ロティ(蒸し焼き料理)・アントルメ(デザート)・チーズ・果物・コーヒーとなり
⑥ 旧教国なので、金曜日は魚料理の習慣があり、魚は、魚臭があってあまり好まれないが、カキ・エビ・舌ビラメは別格で、ホタテ貝・ムール貝も好まれ、魚を卸すときには、包丁でなくて( )を使い、
⑦ イタリアのようには、パスタはあまり好まれず、
⑧ 野菜料理を珍重し、アスパラガス・シャンピニオン・インゲンマメ・グリンピース・ニンジン・ダイコン・ジャガイモ・ナス・キュウリ・キャベツ・アーティチョーク・エシャロット・カリフラワー・クレソンを好みます。
ロシア料理
ロシア料理を定義することは難しいです。帝政ロシア時代の宮廷料理を始めとして、広大な国土に分布するさまざまな民族料理の集合体です。
ロシア料理の共通した特徴は
① 厳しく長い冬の寒さに耐えるために、脂肪の多い濃厚な料理が多く、
② バターやチーズを多用し、
③ 身体が温まるシチュー・スープ・煮込み料理が多く、例えばウクライナ風シチューのボルシチ、キュウリの酢漬け・肉・白身魚入りで酸味のあるラソーリンク、牛肉・タマネギ・キャベツ・トマト入りのソリヤンカ、ラトビア地方のサワーミルク・オオムギ入りのスカーバ・プートラ、グルジア地方の牛肉・タマネギ・トマト入りのシチューのハルチョーなど、ボリュームのあるスープが多く
④ 前菜の食習慣は、ロシアに始まり、多種多様なザクースカがあり、
⑤ 貯蔵可能な酢漬け・塩漬け・燻製・瓶詰・缶詰を、頻繁に利用し、
⑥ 寒い国らしく、トマト・唐辛子など赤系統の素材を好み、
⑦ 寒さに打ち勝つために、強い酒のウォッカがある。
代表的な料理に、キャビア・ニシンの塩漬け・ウナギの燻製・ピクルスや、羊肉串焼きのシャシリック、挽き割りのムギと羊肉のアルメニア料理のカルプート・キュフタ、中央アジアの馬肉ソーセージのカジー、ストロガノフ風牛肉料理のべーフストロガノフ、ロシア風挽肉料理のビートキ、ロシア風煎餅のカーシャがあります。
ちなみに、ロシア料理の習慣が西洋料理に影響を与えた例には、銀の大皿に盛り付けた料理をワゴンで客席に運び、サービスするロシアン・サービスがあります・
西洋料理の特徴 4
スペイン料理の特徴は
① ヨーロッパの中で、全く異なる料理体系を形成し、地域ごとに独特の郷土料理があり、
② 農産物・畜産物・海産物に恵まれ、
③ 北部は、香りの強い香草類や薬草を好み、濃いめの味付けで、南部はあっさりした料理が多く、
④ 塩・ガーリック・オリーブ油を用い、複雑な香辛料はあまり使わず、どこかに東洋的な料理のにおいがあり、
⑤ 東西文明が合流した証拠の一つに、中国料理と同じような包丁やまな板を使い、
⑥ バスク地方を除き、ソースはあまり用いず、
⑦ 素焼きの土鍋で煮込む料理が多く、
⑧ 陸の素材として、ジャガイモ・タマネギ・ニンニク・オリーブ油・トマト・アーモンド・赤ピーマン・唐辛子・サフラン・ヒマワリ・レモン・オレンジ・ワイン・シュリー・ブランデーを用い、
⑨ 塩味の効いた固いパンのピエドラには、石という意味があり、石でも煮ると柔らかくなるという諺があるほどです。
代表的な料理に、ワインビネガーで和えるサラダのエンサラーダ、生野菜をすり潰した冷たいスープのガスパチョ、サフラン入りの炊き込みご飯パエリヤ、カタクチイワシのから揚げのボケロネス・フリトス、シラスの天ぷらのチャンケーテス・フリトス、魚の煮込みスープのコシード、ウナギ稚魚のオーブン焼きのアングラス、イカ墨煮のカラマレス・エン・ス・テインタ、イカリングフライのカラマレス・ア・ラ・ロマーナ、スペイン風オムレツのトルティーヤ、赤ワインパンチのサングリアがあります。
ドイツ料理
山岳地帯が多く厳しい冬の寒さに耐えるドイツには、美味しい料理がないとする説もありますが、郷土料理の親しみを感じます。ビールとも相性がようようです。
ドイツ料理の特徴は
① ジャガイモやライ麦をよく利用し、
② 肉食文化の中に、人と人との強い結び付きがあり、豚肉は余すところなく利用し
③ 保存食として、ハム・ソーセージの加工技術が発達し、
④ 野菜の保存食に、ザウアークラウトがあり、
⑤ 保存食品を巧みに組み合わせています。
代表的な料理に、キャベツを岩塩で漬け込むザウアークラウト、豚のすね肉の塩漬けをザウアークラウトで煮込むアイスバイン、ジャガイモ団子のクネーデル、麺料理のシュペッツレがあります。
ベルリンに行ったときは、キッコーマン大都会という和食の店で、食事をしましたので、ドイツ料理を食べなかったのですが、デパートに行って、色々な加工食品を見てまわりました。特に加工食品のハム・ソーセージを買って、ホテルでみんなで食べました。ドイツワインが美味しかったことが印象に残りました。その当時は、ワインはフランスワインと思い込んでいたからでしょう。ドイツワインを見直しました。
西洋料理の特徴 3
イタリア料理の特徴
① 仔牛肉・鶏肉・兎肉・野鳥・イか・タコ・ムール貝・アサリ・エビなどの素材や、料理の種類が豊富で
② 北イタリアには、野鳥・チーズ・魚介や、リゾット・ポレンタ・手打ちパスタがあり、バターやクリームなどの乳製品をよく使い、仔牛の骨髄煮込みのオッソブッコは、日本でもよく知られており、中部イタリアには、鶏・羊・仔牛肉の料理があり、南イタリアには乾燥パスタ・ピッツアがあり、トマト・オリーブ油をよく使い
③ キャンティ・マルサーラなどのワインは、イタリア料理には不可欠でアリ、
④ アイスクリームの本場で、美味しいジェラートがたくさんあります。
*イタリア旅行に行ったときに、ローマの「トレビの泉」で食べたジェラートの美味しかったこと、感激しました。(本当は、ローマの休日で、オードリー・ヘップバーンが食べていた「スペイン広場の階段」で食べたかったです。)
*トスカーナで飲んだキャンティ・クラシコもおいしかったです。
イタリアはもう1度、行きたいと思っています。
スカンジナビア料理
スカンジナビア山脈に囲まれた、ノルウェー・スウェーデン・フィンランド・デンマーク・アイスランドの北欧諸国は、夏が短く冬の永い北極圏に近い厳しい自然のなかで、静かな雰囲気の都市が多く、酪農や水産に積極的に取り組んでいます。
スカンジナビア料理の特徴は
① 北にいくほど美味しいジャガイモ栽培が盛んで主食の座を占め
② 酪農や水産に恵まれ、肉や魚は、塩漬け・マリネ・燻製に加工して貯蔵し
③ スウェーデンには、スモーガスボード、デンマークにはオープンサンドイッチがあり
④ たんぱく質や脂肪を比較的多量に摂取し、
⑤ 豚の皮をガリガリに焼き細く切った、クラックリングという変った料理があり
⑥ デンマークには、古い伝統のビールがあり、
地中海と大西洋に囲まれ、イベリア半島の大半を占め、陽光に輝くスペインの大地は、ピレネー山脈で仕切られ、隣のフランスとは異なる食文化を展開しています。
古代ギリシャやローマの影響を受け、中世には、バァンダル人・西ゴート人・アラビア人が侵入し、大航海時代のイザベラ女王の頃には、コロンブスが遠洋航海に成功し、世界に君臨する国となります。
スペインは、8~15世紀にかけて、イスラム文化の強い影響を受けています。このような多民族国家として、光と影の国といわれるように、民族ごとに、異なる食文化が培われています。例えば、内陸のアラブ系の人々は、肉食を主とし、地中海沿岸では魚介を好みます。ユダヤ人・ケルト人・ローマ人・バスク人・西ゴート族も加わり、複雑な食習慣を形成しています。
西洋料理の特徴 2
イギリス料理
イギリスには、美味しい料理がないという人もいます。美味しくないという人は、1年中、変化に乏しいから、料理には手間暇かけずに短調だから、塩茹で料理が多いからなど、フランス料理と比較したりします。しかし、イギリス料理を好む人は、長い伝統があり、素材をよく生かし、健康的であると指摘します。
イギリス料理の特徴は、
① 魚料理が豊富で、ニシンやタラの燻製、フィッシュ・アンド・チップス、スモークド・サーモンがあり、
② 伝統的な肉料理に、ローストビーフ、ビーフステーキ、アイリッシュシチューがあり
④ 紅茶の国として、、イングランド北部に伝わる、紅茶を飲む習慣はハイ・ティーと呼ばれ
⑤ ヨークシャープディング、ミートパイ、ウェルシュラビットがあり、
⑥ オートミール、サンドイッチ、ジンジャーブレッドがあり、
⑦ スコッチウイスキーの本場でもあります。
イタリア料理
温暖な気候風土に恵まれ、食べているうちに楽しくなるのがイタリア料理です。味が良く、食べる雰囲気も庶民的です。イタリア人はアモーレ、カンターレ、マンジャーレが大好きで、恋を囁き、よく歌い、よく食べます。至る所に食べるところがあります。一流の店のリストランテ、味が評判のトラットリア、立ち食いのタボラカルダ、ピッツアがあるピッツエリア、ビアホールのようなビッツエリア、酒もコーヒーもあるバー、昔風の飯屋のタベルナがあります。1871年に統一国家になったイタリアは、地域ごとに特色のある食文化が形成されます。ボローニア・ベネチア・ナポリ・ローマ・トスカーナなどです。
イタリア料理は、豊富なアンティパスト(前菜)に始まり、プリーモピアット(スープ、パスタ、リゾット)、セコンドピアット(魚・肉料理)、そして、ドルチェ(デザート)で終わります。ボリュームの多いことは天下一品で、パスタ(スープ)で満腹ダウンしないように、時間をかけて、大声で歌い腹を空かせるバイキングスタイルの店もあります。
イタリア料理の基本素材は、ガーリック・オリーブ油・トマト・パスタです。ポモドーロと呼ばれるトマトには、地中海の太陽の恵みを受けた黄金のリンゴという意味があります。トマトは、16世紀に、メキシコやペルーの新大陸から伝えられます。当初は観賞用や薬用でしたが、栽培がイタリアの気候風土に適応して、パスタや各種料理に欠かせないものとなります。トマトは、粉チーズとも相性がいいのです。パスタは、スープの類いで、スープの中に入れるパスタ・インブロード、煮込んだソースをかける乾いた状態のパスタ・アシュッタがあります。後者が、めん好きな日本人の嗜好に合い、日本では一品料理のスパゲティになりました。
西洋料理の特徴 1
西洋料理には、主食と副食という区別はなく、豊富な素材を巧みに組み合わせ、さまざまな調理法を用いて作られ、料理の種類は多種多彩です。料理は作るだけでなく、食器・盛り付け・テーブルマナーなどの雰囲気作りにまで、細心の注意が払われます。フランス料理が中心となりますが、国や民族により、多種多彩な食べ物を形成しています。
共通した西洋料理の特徴
① 獣鳥肉をバターやラードなどの油脂で調理したり、その加工品が中心で
② 肉料理の単調さを補うために、多種多様なソースが発達し、
③ チーズ・ヨーグルト・牛乳・ワインをよく使い
④ 香りを楽しむ料理であり、多彩な香辛料やハーブを使いこなし、
⑤ 鉄板やオーブンによる間接加熱がほとんどで、直火焼きは多くなく
⑥ 鍋は平底鍋を用い、ポトフやブイヤベースなどの煮込み料理もあり、
⑦ 食器類は、ほとんどが大小の皿で、肉の脂は固まりやすいので、皿は熱して供され
⑧ パン・ケーキ・ワインなどには、宗教的な色彩の強いものも多く
⑨ デザート類が発達し
⑩ 国や民族ごとに、特色のある代表的な料理がある
例えば、フランスのエスカルゴ
イギリスのローストビーフ
イタリアのパスタ
スウェーデンの魚の燻製
ロシアのボルシチ
アメリカのサラダ
アメリカ料理の特徴
多くの料理の本に、アメリカ料理という項目は、あまり見当たりません。なぜでしょうか。アメリカは広大な土地を有し、農産物や畜産物を多量に産出する多民族国家です。そして、移住者によりヨーロッパの各国料理を継承しています。アメリカ特有の料理の一つに、南部のニューオーリンズに、クレオール料理があります。移住した白人が創作したフランス系統の料理です。フランス・スペイン・アフリカ・アメリカ先住民の料理が混ざり合い、いかにもアメリカらしい料理です。
特徴は
① ティーボンステーキやワンパウンドステーキのような巨大なステーキがあり
② トマトを用いる料理が多く、トマトソース・ドレッシング・カクテル・ジュースと
多彩で
③ 外来のものは、すべてアメリカサイズされて量産し、例えば、ハンバーグステーキ→ ハンバーガー、ピッツア→ ピザパイ、折りパイ→ 練りパイのように、量産可能なタイプに変えてしまい
④ 大量生産によるパンやプレミックスなどの新しい加工形態には、アメリカ的な合理性がみられ
⑤ スナックからファーストフードまであり
⑥ 客にスピーディーに食べ物を運ぶ方式を、アメリカン・サービスと称し、ロシアン・サービスと対比され
⑦ 農産物や畜産物が豊富で、生産や貯蔵に優れた技術があり、
⑧ クラムチャウダーのような珍品もあります。
美味しさよりも栄養を重視した料理ともいえます。
中国料理の特徴 2
上海料理(東方系)
南京・蘇州・上海・杭州などの地域は、古くから文化の開けた長江下流の江浙地方にあります。日本の気候風土に似ていて四季があり温暖で、コメを始めとする農産物、湖、沼、河、海で取れる豊富な魚介に恵まれ、魚米之郷ともいわれます。四季折々の季節料理、エビ・カに・水禽の海鮮料理など多彩です。上海は国際都市として、ヨーロッパの食文化の影響を受けています。清炒・清蒸・紅焼などの調理にすぐれています。淡泊な味のものもありますが、油・醤油・砂糖による濃いめの味付けです。モクズガ二の姿蒸しの蒸蟹、スッポンの醤油煮の紅焼甲魚、豚の角煮の東坡肉があります。紹興酒の本場でもあります。
四川料理(西方系)
川菜ともいいます。四川・雲南・貴州の西部地方は、冬の寒さは厳しく、盆地の中は肥沃な土地、山の幸にも恵まれています。四川省の成都を中心に発達しました。見た目の美しさ、食欲をそそる香味、食べて満足する味から、三位一体の料理ともいわれます。海に遠いので川魚や野菜料理が多く、一菜一格・百菜・百味といわれるほどに、調味料や香辛料の組み合わせが巧みで、変化に富んでいます。ゴマ・ニンニク・ショウガ・ネギ・トウガラシを使い、辛味の効いた料理が多くあります。干焼・魚香・麻ラーなどの調理にすぐれています。豆と挽肉のトウガラシ味噌炒めの麻婆豆腐、四川風屋台そばの担々麺、豚肉の細切り辛味炒めの魚香肉絲、鶏肉のトウガラシゴマ和えの棒々鶏、四川漬けの搾菜があります。
広東料理(南方系)
福建料理とともに珠江流域に発達した代表的な南方料理です。国際的によく知られているのは、この地方から華僑が世界中に進出したためです。亜熱帯に属し、農産物や果物が豊富です。海に近く鮮度のよい魚介にも恵まれています。広州は、中国南部の重要な地点として、清代に、北京の官吏がすぐれた料理人を伴って赴任し、子孫そのまま定住しています。食在広州(食は広州にあり)とは、世界の料理の中で、広州ほど食べ物の種類が豊富で、美味なところはないという意味です。蘇州で生まれ、杭州で育ち、広州で食べ、柳州で死にたいという中国の諺があるほどです。素材や調理法は多種多彩で、薬味や調味料の種類も多彩です。フカヒレの魚チー、ツバメの巣のイエヌオウなどの高級素材から、ヘビやイヌの料理まであります。外国との交易が盛んで西洋料理の影響を受け、トマトケチャップ・ソース・牛乳・バター・西洋野菜や、洋風の調理法を取り入れています。中和の取れた淡泊な味付けで、素材の持ち味を引き出し、油は控え目です。日本人好みの調味でもあります。香港とともに飲茶の習慣が盛んで、点心が豊富にあります。トマトケチャップを使うグーラオロク、フカヒレの醤油煮の紅焼魚チー、
牛肉の炒め物のハオイウ二ウロウ、トウガンの蒸し物の冬瓜チョン、焼売があります。
その他の料理
豚肉は食用とせず、羊肉や山羊肉を使う回教徒の回教料理(清真菜)、動物性の素材を使わない仏教徒の精進料理(素菜)があります。
中国料理の特徴 1
中国は、日本の26倍という広大な国土と豊かな資源に恵まれ、また、4000年という長い歴史の中で、漢民族を中心に、56の民族で構成される多民族国家です。また、気候風土・民族・習慣・歴史的背景などの地域差が大きく、そのために、多くの独自の料理文化を育んでいます。豪華な宴会料理から、手軽な家庭料理まで、基本的な調理は、1万種類を越えるといわれます。
特徴
① 医食同源や薬食一如の思想に基づき
② 広大な中国大陸に囲まれ、地域ごとの特色ある料理が多く
③ 味を楽しむ料理であり
④ 素材の種類は豊富で、捨てるところがなく
⑤ 海つばめの巣・ふかひれ・なまこ・干しエビなどの乾物を巧みに利用し
⑥ 芽台酒を始め、発酵させた食品が多く
⑦ 古くから高度な調理技術が発達し、丸底鍋(中華鍋)を用いる油料理が中心で、高
温短時間加熱により、料理は油っぽさが感じられず
⑧ 調理器具や食器の種類が少なく、人数にも融通性があり合理的であり
⑨ 料理はバランスよく、栄養的・健康的にも優れていて
⑩ 一つの円卓を囲み、大皿に盛り付けた料理を、各自の好みにより取り分ける
代表的な料理
① 北部の黄河流域には北京系の料理
② 東部の長江下流には上海系の料理
③ 西部の長江上流には四川系の料理
④ 南部の珠江流域には広東系の料理
北京は濃いめ、上海は酸味、四川は辛味、広東は淡泊な味を好みます。
北京料理(北方系)
京菜ともいいます。素朴な山東料理が基本となり、明や清の首都として栄えた北京の伝統ある宮廷料理が混ざり合い、明代から集約された料理です。
清の第6代乾隆帝は、蘇州料理を好み、料理人を積極的に招聘します。
(私は1986年に始めて香港に行ったときに蘇州料理を食べました。その当時の香港副領事の方が、上司の息子さんで、その方に案内されました。とても美味しかったです)
満漢両民族の食文化と、官吏がもたらした地方料理の影響を受けています。
中国北部は、質のよいコムギの産地であり、コムギ粉で作る包子・餅・饅頭・麺など点心を常食とします。北方民族の好む牛肉・豚肉・羊肉・鴨肉・鯉をよく使います。
醤油・塩・味噌・香辛料による濃い目の味付けで、砂糖は余り使いません。寒さが厳しいために、油を多めに使う料理が多いのも特徴の一つです。爆・ジャー・炒などの調理にすぐれています。アヒルの丸焼きの北京カオチャー、羊肉のしゃぶしゃぶのシュワン羊肉、水ぎょうざなどがあります。また、高級なスープ料理に定評があります。