会席料理
会席料理は、宴席に出される料理で、酒を楽しむための料理である。
俳諧の席に出された俳席料理が本来の名称だと言われている。
江戸時代に料理茶屋で会席の場が設けられるようになり、本膳料理や懐石料理の複雑さを簡略化し、茶屋料理のもの足りなさを補って、酒宴向きの料理とした。その後、
懐石料理は料理屋の料理として広まった。
食味本位にくつろいで食べられるところに会席料理の特徴がある。会席料理は出された料理をその場で全部食べきれる量だけ出す「食い切り料理」の形式を取り、一品ずつ配膳するのが基本である。
献 立
1. 前菜
軽い酒の肴として出される。
先付けという場合は、小鉢で和え物、浸し物が出される。
前菜というときは3種か5種、または7種の盛り合わせで、色彩や形などで
季節感を出す。
2. お作り
季節の魚を用いる。
3. 吸い物
すまし汁を用い、椀種、椀づまなどの取り合わせを工夫して季節感を出す。
4. 口代わり
山、海、野の珍味数種類を一皿に美しく盛り合わせた酒の肴である。
5. 焼き物
魚だけでなく、肉の焼き物が出される場合もある。
6. 揚げ物または煮物
揚げ物は旬の魚介や野菜の天ぷら、素揚げ、から揚げ、変わり揚げなど
素材に合った調理法を選択する。
煮物は炊き合わせともいい、野菜2~3種類のもの、野菜に肉類をあしらった
ものなどがある。
7. 蒸し物
茶碗蒸しが多い。
8. 和え物または酢の物
ご飯物の前に口の中をさっぱりさせる効果を果たす。
9. 止め椀
赤だしの味噌汁が多い。飯、香の物とともに出される。
香の物
たくあんを中心に浅漬けなどを2~3種類盛り合わせる。
飯
炊きたての飯であるが、まつたけご飯、たけのこご飯など
季節のものを盛り込むこともある。
10. 水菓子
季節の果物を用いる。
* 俳諧 俳諧連歌のこと。普通の連歌に対してこっけいな内容を詠んだもの。
連歌は2人以上の人が、短歌の上の句と下の句をそれぞれ詠み合って
続けてい形式の歌のこと
*吸い物 白身魚などの具である「椀種」、野菜類やまつたけなどの「椀づま」、
ゆずなどの香りを添える「吸い口」、そしてだし汁の「吸い地」という
四つで構成されている。
*口代わり きんとん、だて巻き、寄せ物などのちょっとした甘味を口取りといい
この代わりに出す酒の肴を口取りの代わりに出すことから口取り代わ
り、略して口代わりという。甘みは酒に合わないとされ、甘くない
料理である。