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なぜ、手でたべるのか?なぜ箸を使うようになったのか? 1

全ての民族は手食の歴史を持っています。なので、手食文化圏では、そのままの習慣が、最も良い方法として続いています。私たちは、手で食べることについて、非近代的・未開発・低位文化・不衛生・野蛮などといった、イメージをもつことがありますがもしそうだちすると、大きな判断の誤りを犯したことになります。

手食文化圏では、単純に手で食べるのではなく、厳しい掟が定められています。

① 食事の前後には、必ず手を洗い口をすすぎ

② 食べ物は、床の敷物の上に並べ

③ 来客のあるときには、男女は別々に食事をし

④ パンだけは分配するが、料理は共通の器を用い

⑤ イスラム教徒は、ラマダン(断食)の月を守り、ブタ肉は食べず

⑥ ヒンズー教徒の多いインドでは、食べ物も分配し、

⑦ 指が火傷するような熱い料理は食べない

  とあります。

このように、食事のタブーや食法も、大切にされています。右手は清浄、左手は不浄であり、日常の全ての生活行動は、この基本的な原則を貫いています。

手食文化圏の民族が手で食べる理由は、手食が最も美味しいからです。しかし、手食の厳しいルールを守らなければ、手食を続けることはできません。

 

箸食文化圏の国々は、中国・韓国・日本・台湾・ベトナムなどですが、おなじ箸食のみ民族でも、食法はそれぞれ異なります。

 

中国の箸食について

そもそも、箸と匙は、古代中国で発生しています。中国の箸食の歴史は古く、殷代(BC1700~1100)の遺跡から、青銅器の箸が出土しています。この頃の箸は、先祖の霊や神に食べ物を供える礼器の一種で、一般の食事には用いていません。戦国時代(BC403~222)の「韓非子」に、暴君の紂王が象牙で箸を作らせたとあります。この頃の箸は、王侯や貴族だけのものでした。

今日のような箸の祖型が完成するのは、前漢時代(BC206~AD7)といわれています。「礼記」によればこの頃の箸の使い方は

① 飯は箸で食べないで

② 具の入った汁は箸を使ってもよく

③ 具のない汁は箸を使わない

   とあります。日本と異なり、飯は匙で、おかずは箸で食べたようです。

宋代(960~1279)になると、蒙古の勢力が強くなり、漢民族は江南の地に逃れ、日本のような粘りのある米を箸で食べ始めます。そして、明代(1368~1661)に、漢民族は再び華北の地に戻りますが、粘りの少ない北の米も箸で食べるようになります。

このような歴史の中で、箸主匙従型の中国の食法が完成します。

中国では、手食(紀元前)から匙食(後漢~元代)から箸食(明代~)と変化し、匙は汁専用になります。中国の箸は、象牙・木・竹製が多く、寸胴型で、中央の大皿まで届くようにかなり長く(27㎝ぐらい)なっています。先端が丸くて尖っていないのは、凶器に使われないためです。中国料理では、日本のように取り箸は使わず、大皿から自分の箸で取り分ける直箸です。同族意識の強いことの象徴です。