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西村京太郎 消えたタンカー

十津川警部シリーズのサスペンスである、消えたタンカーの物語である。

インド洋上でマンモスタンカーが炎上し、積んでいた50万トンの原油が失われてしまうという、タンカー事故が発生したのがこの物語である。タンカーの乗組員32名の内、船長以下6名が奇跡のように生還したが、この生還した乗組員が次々と殺害される事件を

十津川警部の班が解決していくのである。

世界最大のマンモスタンカーが沈没したとのニュースは、日本を直撃したともいえる。

事故のニュースを最初に耳にしたとき、このタンカーの所属する会社の幹部は顔色を変えて「これで終わりだ!」と叫んだのである。

ペルシャ湾からインド洋を通って日本へ到るオイル・ルートに、日本は、石油の年間消費量の80%を依存している。そのルートで、マンモスタンカーが沈没し、もし、積まれている58万キロリットルの原油全部が流出したら、どうなるのか。海は汚染され、油が沿岸に流れ着き、沿岸諸国は一斉に日本を非難するのではないか。大型タンカーの通行は規制され、海洋会議で日本は孤立してしまうのではないかとの、危惧があるのである。インドとスリランカ政府はマンモスタンカーの沈没の知らせを受けると同時に、自国の海域が汚染されたときには、損害賠償の権利を保留するとの談話を発表したのである。だが、原油流出による海洋汚染の恐れはなかったのである。

6人の生存者が帰国後、1週間を経て、まず、船長が殺害をされ、次から次と生存者が殺害されていくが、殺害の方法がプロによる殺害で、拳銃で殺害していくのである。

この6人の生存者が全て、家庭持ちとのことで、タンカーの沈没事故との関係が明らかにされていくのが、とても面白いです。このタンカー沈没事故は、乗務員たちの自作自演で、58万キロワットの原油を売り飛ばして、32人で百八億円を分けて、ブラジルへ移住する計画を立てて、インド洋でタンカーを沈没させたのである。一人当たり3億4千万円の大金を持ってのブラジル移住である。独身者は、簡単に移住できるが、妻帯者は家族の同意がなければ、移住できないので1週間という猶予期間を設けたが、移住という行動を取らなかったために、裏切り者として、殺害されたのである。

 

2020年7月、インド洋の島国モーリシャス沖で座礁した、日本の会社が所有する貨物船

わかしお」から流出した重油は、過去の事例と比べると量が比較的少ない。それでも、珊瑚礁や島の南東部の海岸に及ぼした打撃は甚大で、影響は長期にわたるといわれている。

日本のように、石油を輸入しないと国が成り立たないし、私たちの生活のも影響が多大にあることを、忘れてはいけないのではないかと、この本を読んで感じました。