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宗教と食物禁忌 9 その他の宗教

ブードゥー教(アフロ・カトリック民衆宗教)

ブードゥー教は、19世紀にフランスにス配された西アフリカのダホメ王国(現ペナン)のフォン人の伝承・信仰とキリスト教カトリックが混ざり合ってできた宗教。

アフリカと、奴隷として送られたカリブ海のハイチ、アメリカ南部ルイジアナ州などに信徒が多く、同類のブラジルのカンドンブレ、西アフリカ・ヨルバ人のサンテリアなどとまとめて「アフロ・カトリック民衆宗教」とも呼ばれ、現在5000万人も信徒がいるといわれます。生者と死者(先祖や神々、霊も含まれる)との人間関係を強調し、占いや、動物のいけにえ、音楽、ダンスなどが伴います。生ける死体「ゾンビ」の存在も信じます。西アフリカの料理「アカラ」(ササゲの一種である黒目豆の揚げ物)は、しばしば70歳以上の長寿を全うして亡くなった人の葬儀で親戚や隣人らに配られたり、またブラジルに渡って「アカラジェ」と呼ばれ、宗教儀式のお供え物として重要されてきました。アカラの起源は中東のファラフェルだと考えられており、7世紀から19世紀の間にこの地にやってきたアラブ人によって調理法がもたされました。

 

バハーイー教

19世紀半ばにイランでバハー・ウッラーが創始した一神教。イランで迫害を受け、現在はイスラエルのハイファにあるカルメル山に本部があります。信徒数は600万人といわれ、日本にも教団支部があります。

食事は個人の選択の問題とされ、厳格な戒律はありませんが、バハーイー暦の1年の最後の月(西暦の3月)にあてる19日間の日の出から日没まで、生命を再調整し、精神力を活気づける意味で断食をします。

 

道教儒教

仏教とともに中国の三教と呼ばれる宗教。

道教は古代中国の民間信仰を基盤とし、不老長生・現世利益を主目的として生まれた漢民族伝統宗教。また儒教孔子を始祖とし、孔子が唱えた道徳・教理を体系化したもので、その学問内容が儒学です。

道教では、食事と健康、精神のつながりを大切に考え、例えば、歳をとるごとに少しずつ食べる量を減らし、加工食品を避けるといったことが説かれ、基本的には菜食を奨励しています。それは、食べ物や料理を意味する中国語によく「菜」がつくことからもうかがえます(たとえばメニューのことを菜譜、献立表のことを菜単という)。豆腐の発明は道教家の功績だったといわれます。

儒教では孔子の哲学が中国の食文化に深く反映されています。孔子は食を重要視し、適切な調理技術(例えば肉はみじん切りにする、食品を一緒に使う際の調和を考える、季節の食材を使う、すべての食品には色、香り、風味、食感を必要とする等)を教え、それは、のちに世界三大料理のひとつにもなった中華料理に大きな影響を与えています。

宗教と食物禁忌 8 その他の宗教

シク(シーク教

シク教は、16世紀にインド北西部のパンジャープ州でグル・ナーナクが創始。

シク=弟子、グル=教師を意味します。シク教徒は、神の元ではみな平等であると考え、「正直に勤勉に働く、恵まれない人々と分かち合う、行なう全ての行動に神を自覚する」という1日3原則を実践しています。聖職者を持たず、シク寺院(グーダワラ)では、信仰の違いや老若男女を問わず寛容に受け入れ、「ランガル」と呼ばれる無料の食事を提供します。ランガルは、インドのどんな信仰の人でも食べられるように菜食(乳製品を含む)が提供されます。開祖グル・ナーナク自身は菜食主義者と伝えられ、菜食が奨励されますが、宗派により肉食をする教徒もいます。その場合、動物を怖がらせずに瞬時に屠畜する(ジャトカ)と呼ばれる肉を用い、儀式として動物を犠牲にすることは禁止されています。アルコールは控えるべきとされていますが、禁止はされていません。

 

ゾロアスター教

ゾロアスター教は、前7~12世紀頃に古代ペルシャにあった原イラン多神教をもとにザラスシュトラゾロアスター)が創設した世界最古の一神教のひとつ。

唯一神アフラ・マズダを崇めた善悪二元論的な宗教です。聖典は「アベスター」。拝火教ともいい、光と知恵の象徴として儀式において火は重要な要素です。現在の信徒は世界中に19~11万人ほどですが、インドでは、イスラム教国家となったペルシャから逃れてきた信徒をパールシィ(ペルシャ人)と呼び、「タタ財閥」の創始を始めムンバイを中心としたインド社会に溶け込んで商業や産業に多大な影響を及ぼしています。著名なゾロアスター教徒には、ロックバンド「クイーン」のフレディ・マーキュリー、クラシックの指揮者ズービン・メータらがいます。

ゾロアスター教には食規定はないという意見がある一方で、聖典「アベスター」によると、開祖ザラスシュトラは「動物には魂と意識がある」と説き、貪欲な肉食は厳禁としています。牛を家畜にしたり使役することは禁じておらず、牛乳、ヨーグルト、チーズ、バター、ギーなどの牛乳由来の製品は許可されてきました。

宗教と食物禁忌 7 仏教、その他の宗教

五葷(ごくん)とは?

菜食の精進料理であっても、五葷と呼ばれるネギ科の植物(にんにく、ねぎ、にら、タマネギ、らっきょう)は僧侶に禁忌とされることがあります。匂いが強く煩悩を刺激するという理由で、地域によっては山椒やしょうが、香菜が含まれることもあります。また、菌類(きのこ)を食べない僧侶もいます。

 

仏教の祭りと特別料理

灌仏会花祭り

釈尊の誕生日(日本では4月8日だが国によって違う)に、お祝いに釈尊像に甘茶をかけたり、無病息災を願って飲んだりします。これは日本独自の習わしです。甘茶は、アジサイ科の落葉低木アマチャの若い派を蒸して揉み、乾燥させ、煎じて作った飲み物です。上座部仏教圏の国々では「ウェーサーカ祭」が灌仏会に該当し、信徒はそれぞれの国の刺激の少ない菜食をします。

 

報恩講(ほうおんこう)

日本の浄土真宗の宗祖・親鸞聖人の忌日に門徒が集まって食事をする習わしです。特に信徒が多い北陸で盛んに行なわれ、食事は「報恩講料理」と呼ばれ、八つ頭の茎の酢漬け「すご」(福井)など、その日の定番の精進料理を食べる地域もあります。

 

 

その他の宗教

ジャイナ教

紀元前6世紀頃にマハービーラが創始したインドの宗教。

神や創造者はいないとされ、アビンサー(不殺生・非暴力)を始めとする禁戒・苦行の実践を説いています。ヒンズー教と同時に発達しながら、仏教の影響も受けており、カルマや転生、倫理、禁欲主義の概念が信仰の一部になっています。現在の信徒数は、インド西部のグジャラート州マハーラーシュトラ州、ラジャスタン州を中心に約600万人。生き物を傷つける怖れのある農業に従事できないことから、商人や職人(特に宝石や貴金属商)が多く、信仰の篤さと誠実さからインド社会で信頼されています。

教徒は厳格な菜食主義で、肉、魚、卵、はちみつを食べることはもちろん、小さな昆虫や微生物を傷つける恐れがあり、植物の生命が宿ると考えて、地下茎野菜のじゃがいもやにんにく、タマネギなども禁じています。また、菌類のきのこ、発酵の過程で多数の微生物が犠牲になるという考えから、酵母でふくらんだパンは食べず、酒も飲みません。乳製品については、「動物の子が飲んだあとの残りの乳をいただく」という考え方により、禁じられていませんが、厳格なジャイナ教徒はヨーグルトは新鮮なものしか食べません。

宗教と食物禁忌 6

上座部仏教

スリランカ、タイ、ミャンマーカンボジアラオスなどの初期仏教の影響を残す保守的な仏教。今でも出家した僧侶が三種の浄肉を食しています。また10種の不浄肉は禁じられているので、日本では馬肉などをうっかり上座部仏教の僧侶に出さないよう注意が必要です。(在家信徒は特に食規定はなし)。

なおインドの仏教では、肉食を贅沢とみて禁欲する動きや、ヒンズー教社会の影響により、禁忌から出家、在家信徒ともに肉食をしません。

 

チベット仏教

ヒンズー教ジャイナ教ボン教などとともにインド文化圏で誕生した仏教が、8世紀後半に本格的にチベットに伝わり、その地を中心に発展した仏教の一派。チベット仏教4宗派のうち信者の7割を占めるゲルク派の最高指導者であるダライ・ラマ法王は、観音菩薩の生まれ変わりとされています。密教の教えは現在インド仏教、チベット仏教、日本の真言宗天台宗に伝えられています。

仏教では人を含む生きとし生ける全ての生き物の命は等しく、輪廻転生の概念からも、かって自分の父母であったかも知れない生き物の命を奪わないよう、菜食が重んじられてきました。しかし、チベットのような自然環境の厳しい土地において菜食で健康を保つことが困難な場合もあり、現代において菜食は、宗教上の行事や特定の期間を除き強制ではありません。現在のダライ・ラマ14世法王猊下も菜食の時期もありましたが、医師のアドバイスで肉食を取り入れておられます。

 

ボン教(ユンドゥン・ボン)

チベットに古代から伝わる民族宗教。教義はチベット仏教と似ています。

 

禅宗曹洞宗永平寺」)

日本における曹洞宗の開祖である道元禅師は、「三徳六味」という食のルールに触れ、三徳(柔らかく口当たりがよい、清潔でさっぱりしている、正しい順序にしたがって丁寧に調理がされている)と、苦、酸、甘、辛、塩辛いの五味に「淡味」(食材そのものの味を大切にする)を加えた六味を大切にすることを説いています。四季折々の商材を使い、食事に変化を加えて他者に喜んでもらうことの大事さにも言及しています。

 

その他の食規定

仏教における乳製品について

6年間におよぶ苦行で消耗した釈迦の身体を癒やしたのは、スジャータという娘の供した牛乳がゆであったと伝わっています。そのため仏教では牛乳や乳製品に禁忌はありませんが、乳製品は体調のよくない者が栄養を補給するため食べさせるものと解釈され、曹洞宗の精進料理では牛乳や乳製品は使用しないなど、乳製品の扱いは、卵とともに地域や宗派によって扱いが異なります。

宗教と食物禁忌 5

その他のキリスト教にちなんだ食品

ギリシャ:ローマ時代に誕生した薄いパンケーキ「パラチンタ(胎盤の意味)」を層ににして作ったという説もあるお菓子「バクラバ」は、ギリシアではキリストの享年である33の生地層で作られます。

 

エクアドルイースターの前の聖週間に「ファネスカ」というスープを食べます。12使徒を表わすレンズ豆やエンドウ豆、とうもろこしなど12種類の豆または穀類と、キリストを表わす干しタラ(バカラオ)が入っています。

 

スウェーデン:12月13日の聖ルチア祭に、「ルッセカット」というサフランとレーズン入りの甘いパンを食べます。

 

フランス、イタリア、ドイツ:プレッツェルは、南フランスまたは北イタリアの修道士が、祈るために交差させた腕をかたどって焼いたパンが起源といわれます。ドイツ移民によりアメリカにも伝わりました。日本のお菓子「プリッツ」もプレッツェルからヒントを得たといいます。ルクセンブルグでは四旬祭の第4日曜日にプレッツェルの日曜日という行事があり、男性が想いを寄せる女性にプレッツェル型の甘いパイを贈り、女性がその男性を好きなら復活祭の日曜日にチョコレートのイースターエッグを贈り返すという習慣があります。

 

アルメニア:1月後半から2月後半の間の聖サルキスの日に、中東やヨーロッパ東部などでヌガーのようなお菓子「ハルバ」を食べます。ハルバは聖人がもたらす祝福を象徴します。

 

ドイツ:クリスマスを待つ12月の降臨祭(アドベント)の時期にマジパン入りのフルーツブレッド「シュトーレン」を食べます。シュトーレンはおくるみをまとった幼子キリストを表現しているともいわれます。

 

 

仏教

紀元前5世紀のインドで仏陀(狭い意味では釈迦)を開祖として説かれた教え。仏陀=「悟った者・真理に目覚めた人」という意味があります。仏教は仏陀の説いた教えに従い、僧侶や在家信者それぞれの立場で修行・実践して悟りや解脱(涅槃)を成道することを目標としています。

 

宗派ごとの仏教の食規定

大乗仏教

およそ1世紀ころに始まり、仏教に新しい考え方をもたらした宗派。大乗(マハー・ヤーナ〕とか「偉大な乗り物」あるいは「偉大な方法」を意味します。中国や朝鮮半島、日本を含む東アジア圏に広く伝わりました。

大乗仏教では、慈悲と不殺生の思想が広まり、菜食を基本とした精進料理(中国では普茶料理)が発達しました。

日本でもその影響で、仏教伝来から明治時代を迎えるまでは表向きは獣肉食の禁忌が守られていました。明治政府が規制を解いたあとは、禅宗系など肉食をしない宗派を除いて僧侶の肉食が許されています。在家信者についても現在は食規定らしきものはありません。

 

宗教と食物禁忌 4

キリスト教の断食

ユダヤ教の習慣を受け継いで断食(レント)が行なわれてきましたが、何も食べないわけではなく、動物の肉、魚、タナゴ、バターなどの乳製品を断つというものです。復活祭の前の約40日間を「四旬節(四旬斎)」と呼び、キリストの苦難を偲び、9世紀頃までは夕刻に1日1食の断食が行なわれました。また祭日を除く毎週金曜日は肉の代わりに魚を食べました。謝肉祭(カーニバル)は、肉断食が始まる直前の3日ないし1週間をにぎやかに祝う意味があります。

 

キリスト教の重要な祭りと特別な料理

クリスマス=降誕節(12月25日)

クリスマスは「キリストのミサ」という意味があります。キリストの降誕を祝う祭りですが、キリストの誕生日ではありません。ロシアや東欧諸国などユリウス暦を使う国では、西暦の1月7日がクリスマスに相当します。

伝統的にはクリスマス・イブに肉断食を行ない、魚料理を食べます。ヨーロッパの内陸国であるチェコハンガリーなどではコイ料理が人気です。クリスマス当日はごちそうをたべます。また地域によってはクリスマスシーズンだけのさまざまなケーキやパン、クッキーなどがあります。

 

イースター=復活祭(復活節)まてゃ復活大祭(3月~4月)

復活祭は、十字架にかけられて死んだキリストが、三日目に復活したことを記念・記憶する祭り。キリスト教ではクリスマスよりも重要な祭りで、春分の日の後の最初の満月の次の日曜日が当たります。

宗派により復活祭前におよそ40日間の大斎(四旬節)があり、信徒は肉や魚、卵、乳製品や油などを慎みますが、それが解禁される復活祭当日には、肉や卵とバターをたっぷり使ったお菓子が作られます。ロシア正教会では「パスハ」と呼ばれるお菓子が、またロシア、セルビアウクライナなどの正教会諸国では「クリーチ」というパンが作られます。また復活のシンボル、命の象徴のイースターエッグを作る習慣があります。

 

ペンテコステ=聖霊降臨(5月~6月)

新約聖書に登場する、イエスの復活・昇天後、集まって祈っていた120人の信徒達の上に、神からの聖霊が降ったという出来事を記念する祝祭日。復活祭から50日目の日曜日に当たります。三位一体の聖霊を象徴する白い鳩や、炎、風をモチーフとしたお菓子が作られます。特に鳩のケーキ(フランスではコロンビエという)はよく知られています。

宗教と食物禁忌 3

キリスト教

エス=キリストを救世主と信じる宗教。神の国の福音を説き、人類の罪を救済するために自ら十字架につき、復活したイエスが信仰の中心です。ユダヤ教を母体として1世紀中頃パレスチナに起こりました。

 

キリスト教の主な宗派

東方正教会

ギリシャに始まった正教会は、いくつかの例外を除いて、国名や地域を冠した組織を各地に形成していて、ギリシア正教会、ロシア正教会ブルガリア正教会、日本正教会といったような組織が世界各地にあります。

 

カトリック教会」

ローマ教皇を中心とする教派。ローマ教会、ローマカトリック教会とも呼ばれます。東西教会の分裂(1054年)により、東方正教会と袂を分かちました。ヨーロッパ、南米などを中心に約12億人の信徒がいます。

 

プロテスタント

プロテスタントとは「反抗する者、抗議者の意」の意味で、16世紀ルターやカルバンによる宗教改革後、ローマカトリック教会の信仰に反抗し、分離形成されました。ルター派聖公会などの多数の宗派が「あります。

 

アーミッシュ

スイスで生まれ、迫害を逃れて200年近くアメリカに暮らしています。その思想から食事はほとんど手作り、遺伝子組み換え作物や農薬を避ける一方で、アーミッシュ=オーガニックではありません。

 

キリスト教の食規定

エスの教えにおいて、清浄な食べ物と不浄な食べ物の定義は、従来のユダヤ教の食規定と基本的には変りませんでしたが、イエスは、人間の心を汚すのは、偽善や悪徳など人間の内部から出てくる罪だけであり、不浄な食べ物などによって汚されることはないということを明言しました。食物規定よりも「ともに分かち合って食べること」の大切さを優先したのです。そのため、食物規定は基本的にはありませんが、比較的近年に興った宗派によっては禁忌の食品があります。

 

アルコール:カトリック正教会ルター派聖公会などほとんどのキリスト教の宗派がアルコールの適度な飲酒を容認している一方で、救世軍(サルべーション・アーミー)、末日聖徒(モルモン教)、セブンスデー・アドベンティスト、バプテスト、メソジスト、ペンテコステ派などはアルコールを禁じている。

 

豚肉:エチオピア正教会、豚肉をタブー視していたフェ二キア人を先祖とするレバノンキリスト教徒の一部は食べない。ユダヤ教の影響を受けたセブンスデー・アドベンティスト教信徒は豚肉が禁じられている。

 

馬肉:ヨーロッパには馬肉を食べる国が多くあるが、キリスト教の一部の宗派では禁じられている。イギリスやアイルランドアメリカ、オーストラリアでは馬肉をタブー視する人が多い。

 

その他:一部のキリスト教の宗派では生きたまま調理された動物(魚の活け造りなど)もタブー視されている。またトラピストなどの修道士は菜食主義者

 

キリスト教徒が大切にしている食品は「パン」、聖書の世界では古代から「パン」が食べ物の代名詞でした。最後の晩餐でイエスはパンを祝福して、自身の身体であると宣言し、弟子達に食べるように求めたからです。また、ワインは自らの血であるしました。